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『隙間』"埋められてたはずの空白"あの時大人に教えてほしかった話⑦

何しても感情が動かなくて

誰と居ても埋められない
こころの隙間

一生懸命過ごしたはずなのに

いつも心が何かを探してた
幸せになるために働いて
そのために勉強だってしたのに

描いていた理想とのギャップが大きくて
全部が灰色に見えてた

そんな時、お気に入りのカフェに行きたくて
久しぶりに総武線に乗った

PM2:00
意外と空いていて
端っこから少し離れたところに座った

揺れる電車の中でぼんやりと
"ああもう今年の秋も終わるのか"

なんて眺めてたら

中学生くらいの男の子が
分厚い参考書を開いて勉強してるのが目に入った

揺れる電車の中で一生懸命書き込んでいて
”あんなに熱中できるっていいな”

そう思った

"ハッとした"

本当は時間も忘れるくらい集中できる事を
探してたんだって

こんなにも"ふいに"

心が埋めたかったものを見つけるなんて
思わなかったから

あったかくて
胸の奥がきゅうって痛くなった

学生時代はいつだって
キラキラしてみえた大人の世界に憧れて
夢だけを見てた

早く大人になりたくて
すでに埋まっていた心の隙間に
気づけなかった

あの時も本当は充分幸せだったんだ

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