『記憶』の忘れ方。あの時大人に教えてほしかった話④
もう大丈夫だと思って過ごしてた
日常に戻って
いつもと同じ仕事をして
誰もいない部屋に帰って
同じ毎日を繰り返してたから
気づいたら時間が過ぎて
泣くこともなくなって
こうやって忘れていくのかなって
"自分だけが取り残された"
そんな時間は終わったんだって
でも脳は覚えてる
それで
いいのかわるいのか
最悪なタイミングで
思い出させてくる
強くなったってやっと思えたところで
振り出しに戻った
自分だけがまた進めないでいて
何回も記憶をたどるんだけど
忘れたくないのに
少しずつ思い出せない部分が増えてく
思い出したいときに
思いだせることは少なくて
でも、たまたま手に取って
読んだその本のたった一言だけで
駅でかいだ一瞬のその香りだけで
すべてがフラッシュバックする
忘れたいのに
その方が楽なのに
だれも忘れ方は教えてくれない
こうやってずっと
この記憶の欠片と
生きていくのかな