クリスチャン・ディオール展とMOTコレクション展
きのうは心を麗すアートを求めて、東京都現代美術館で開催中の「クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ展」へ行ってきました。
ファッションには疎いものの、いつも現美を通して世界の今、多くの現代アートを知ることができるので絶大な信頼を寄せています。世界を巡回してきた貴重な展覧会を、あらたに日本文化との関係性なども踏まえて紹介するもので、やはり素晴らしいでは言葉が足りない、美の世界が広がっていました。
一部のみですが印象的なものを振り返ります。
戦後のパリ・ファッションの原点「ニュールック」はモノクロの世界で。
その先はもうドレス・ドレス・ドレス。これだけのドレスを一度に見たことがありません。布地や製法やデザインであらゆる表現ができるものだと、まさに芸術の域なのだと思い知りました。のちのファッション界へ影響も偉大であったことも納得です。ほれぼれ。
サイドからのシルエットも抜かりなく、表情を持たせられるんですね。
ドレスとともにある服飾品やアクセサリーがこれまたかわいくて。
ミニチュアみたいに見えるけど、プロジェクションマッピングの滝に浮かぶ等身のドレスたち。
展示品も空間づくりもさることながら、今回素敵だ思ったのは、来場者の方々。さすがファッショナブルな、おしゃれをしてきている方が多くて、その雰囲気がいいなと思いました。
Diorらしきお洋服を着たお友だち同士や、バッグをお持ちの奥様や、着物でいらっしゃってる方もいて、それぞれのおしゃれで、ブランドに敬意を表していることが伝わります。キレイ女子の自撮り写真率も高かったです。
ひるがえってわたしは……近所だからと自転車こぎやすさ重視の汚いジーンズで、たいへん反省しました。
展覧会の加熱ぶり
さて、今回のチケットは4月分の予約解禁日(3月1日)に、時間指定でおさえていたのでした。その前月は即完売だったからです。
で、予約時間の10時半ちょうどに着くと、当日券を求める人で長蛇の列。すでに完売打ち止めになっていて、平日なのに当日券も買えないのかと驚きました。コロナ以降入場人数を抑えているのか、人々がアートを求めているのか……。
本当に、じわじわ評判を呼ぶこの種の展覧会は先手必勝です。たまに直近の予約キャンセルが出たりするようなので、マメにチェックするのも有効かもしれません。
現代アートを楽しもう
ディオール展のチケットは、もうひとつの企画展「さばかれえぬ私へ
Tokyo Contemporary Art Award 2021-2023 受賞記念展」と、MOTコレクション展「被膜虚実/Breathing めぐる呼吸」にも入場することができます。
今回はMOTコレクションの方を見てきたのですが、超ガラガラ!!!
展示室内では、外国人観光客2組としか、会いませんでした。
同じ建物内なのに、人口密度の差が激しすぎて、異空間なのです。
「MOTコレクション」というのは、現代美術館所蔵の作品群からの企画展示なのですが、目利きが選んだ間違いないアートを見ないのは本当にもったいないです。
逆に、広々とした展示室で、どの作品も一人占めができるので、目の前の力強いアートと、思う存分対話することができます。
現代アートは決してわかりやすくないから、時間をかけて考えをめぐらせて、解説もじっくり読んで、また椅子に座ってのんびり鑑賞、なんてことが可能。
とにかく空いていて広々とした現代美術館は、お気に入りのスポットです。
だからディオール展のお客さんがみんな来たらそれはそれで困るのですが、それでも、せっかく来たのだったら、ぜひ寄ってほしい。
ギャラリーツアーなんかにあわせて行くのもいいですよね。
現美には、常設展示にいつでも入れる年パスがあり、今年度の分を狙っていたのですが、今年も瞬殺で売り切れていました…。
やはりファンは多いのですよね。来年こそは!