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名刺ひとつ、肩書きの意味〜名刺を作る前の決意

尊敬するライターのお一人である古賀史健さんのnoteから、決意をあらたにさせてもらったことがありました。ちょうど考えていた、名刺のことです。

名刺に与える意味

こちらの記事から、一部引用します。

しばしばライターは「名刺ひとつでなれる仕事」だとされる。これはまったくそのとおりで、ハンコ屋さんで「Freelance Writer」の名刺をつくったその日から、ぼくはフリーランスのライターになった。ライターに資格試験があるわけではなく、入会審査があるわけでもない。どこかで名刺をつくり、おれはライターなのだと名乗ってしまえばそれでライターなのである。

古賀さんの場合はここからであって、名乗ったからには体現し、プロである意志が伴っていたからこその、今があるわけなんですよね。

「名刺ひとつでなれる仕事」ではないのだ、社長も社員も。

会社を立ち上げてからの名刺についても、名刺は強い決意の表れであるのだと、感じました。

経営者の名刺愛やこだわりは、特にデザイン分野ではいつも感じてきたのもあって、そうした意味での名刺文化は続いてほしいな、とわたしも思っています。

個人名刺の変遷から

自分に当ててみると、、、「名刺ひとつでなれる仕事」であっても、それで行く!という決意がそもそもなかったな、という反省があります。

会社員を辞めて何者でもなくなり、個人名刺を作ろうとしたとき、なにか肩書きがあるかと考えましたが、当初はありませんでした。ただの個人情報カードでした。だから、わたしの名前で生きて行く!と思ったわけではありません。

次に考えたのは「ライター・編集者」という肩書き。編集ライター講座で勉強をした少しの自信も持って、受注仕事をやっていたものの、その名刺を持って営業活動するまでに至らず、結局この肩書きでの名刺は作りませんでした。

おはかんりディレクターへ
アイコンもちょっと変えたりして

2年前、「お墓」に関する情報を集めるために、どうせならWebサイトで発信しよう!と思い立ち、「おはかんり」を立ち上げました。
活動するにあたって、自分は何者なのか?を書くときに、肩書きがあると便利だと考えて「おはかんりディレクター」と名付けました。完全なる創作です。サイト上だけでなく、リアルの名刺も作りました。

だけど、やはり実態が自分の思い描いた通りにはいかないことで、肩書きに自信が持てなくなってきました。決意と努力が不足したこと、そもそも未来が描ききれていなかったせいでしょう。

ネーミングは気に入っている「おはかんりディレクター」の肩書きは、生かすも殺すも自分次第(自分で作ったから当たり前)。じゃあ、胸を張るためには、どんな知識や実績があれば、信頼される価値を提供できるだろうか?

じつは行政書士になろうと思ったきっかけと理由は、そこにもありました。

会社員の肩書きを捨てたわたしは、一度名乗れる肩書きがなくなったからこそ、自分の望む仕事、職業を形として示せる確固たるものを、もう一度手にしたいと思うようになってました。

名刺ひとつの問題を超えて

行政書士は「名刺ひとつでなれる仕事」ではありません。
会社や社員の名刺と同様に、資格や試験があって、さらに行政書士会への登録をもってやっと、名刺を作れる仕事です。

そして当然、名乗るからには責任が生じます。
名刺を渡す相手に対する責任とともに、同業の人に対する責任も担うようになります。個人事業であっても自己完結しない、社会に対する責任を背負ってみたい、そんなフェーズに成長したのかもしれません。

資格があるから、ではなく、覚悟ができるかどうかの問題でした。

いま一枚の名刺でなにを表現するのか、できるのかを考えているところです。きっとその名刺は、自分の指針になると思います。

問題はそこからです。名刺は作れても、それに恥じない仕事ができるかどうか、そこに込めた想いに嘘偽りはないかが問われます。新入社員の頃の名刺とは、百倍くらい違う重みになる気がしています。

最後に古賀さんのnoteからふたたび。

つまり自己申告系フリーランス稼業にとっての名刺とは、「おれがプロである理由」を示した証明書であり、もしかしたらアイデンティティの源泉でもあるのだ。

個人開業の行政書士も「自己申告系フリーランス稼業」であることに変わりはありません。「わたしがプロである理由」とアイデンティティを示す名刺を差し出せるよう、精進していきたいと思っています。



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長谷部 美子|行政書士オフィス ハナウタ
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