行列のできたことないコンビニバイト〜【私は何者なのか】バイト編
自身の過去のあれこれを思い出したときに書く【私は何者なのか】シリーズです。これも良い経験だったなぁ、と思う大学時代のアルバイトについて。
高校時代、校則を破ってバーミヤンでアルバイトしていたことは、こちら↓
近所のゆるいバイトさがし
当時、学生のアルバイト探しといえば、「フロム・エー(from A)」(リクルート)か「アン(an)」(学生援護会)でした。こぞってCMしていましたよね。わが家は父がリクルート勤務だったので、「フロム・エー」しか買ったことありませんでした。実際どんな違いがあったのでしょうか。
家の近所で探していると、自転車で10分ほどの隣町のファミリーマートの広告を発見。当時コンビニの時給は800円が相場だったところ、850円だったので、これは!とすぐに応募しました。
たしか面接に行くと即採用だった気がします。週に2日からOK、夕方5時から10時までというシフト、そんなゆるい条件でよいバイトは当時ほかに見あたらず、かなり好条件だと思えました。
エプロンをつけるだけで、服装も髪型もなんでも自由の、超ゆるゆるバイトがスタートしました。それまで飲食店(バーミヤンと1ヶ月でやめたレッドロブスター)しか経験していなかったので、それも魅力的だったのです。
あまりにもあんまりなコンビニ
そんなコンビニバイトの思い出といえば「仕事としてゆるすぎた」につきます。楽なバイトにこしたことはないのですが……お店としていかがなものか、と大学生ながらに思ったのは、以下のような理由からです。
1.店長のやる気がない
店舗経営する気、ある? とバイト学生に軽蔑されてしまうほど、やる気がない店長でした。おそらくフランチャイズでファミリーマートの看板を借りていた、オーナー店長だったと思うのですが、必要最低限の仕事しかしないうえ、その最低限のレベルが常識はずれでした。
たとえば、お客さんが使えるFAXは故障中にしておく(使えるところを見たことない)。なんならコピー機が故障中にされてることもしばしば。それ、コンビニちゃうやん。
宅配便の受付は、店長のいる時間のみ。つまり夜間は受けない。一応やり方は習ったので、なぜ受けないのか理由を聞いたところ、クレームになるから、とのことでした。お客さんの立場に立つことはありません。
ホットスナックコーナーは、夕方以降は肉まんのみ。コンビニといえば売れ筋であろう揚げ物系スナックは、出勤すると片付けられていました。コンビニちゃうやん。
肉まんの補充は習っていたのですが、ほとんど売れないため、蒸れ蒸れ状態となって、どれもとても不味そうでした。
さらに、いつも陳列棚がスカスカ。商品の補充が間に合っていないというより、そもそも在庫を絞っていた疑いありです。
もうすぐ閉店するのかな? とバイトが思うのだから、お客さんもそう思っていたことでしょう。
……etc.いまだったら、エリアマネージャーが放っておかない最悪なフランチャイズ店舗だったのでした。
2.おひねりをくれる
店長はいつも6時くらいには帰宅するので、夕方の時間帯はアルバイト2名体制になるのが基本でした。でも、人手が足りなくて、あるいは相方の子が急遽お休みするなど、バイトのシフトが1名になってしまうことが時々ありました。
そうなると、ふつうは店長が帰るわけにはいきません。だって、バイトが休憩も取れないし、そもそも女子を普通サイズのコンビニに1人にするか?って話なのですが……。
それでも店長は帰りたい。そんなとき、エプロンのポケットに千円札を入れてくるのです。といっても嫌らしい感じではなくて、「ほんと悪いんだけどこれで一人勤務してくれる?」みたいな感じです。で、帰っていくのです。
正直、最初はお店にたった1人になるの、いろんな意味で怖かったです。でも住宅街の空いているファミマだったので、意外と平気でした。
数か月のバイト期間でしたが、けっきょく4,5回はそんなことがあったでしょうか。こちらとしては、時給が200円アップってことですから、ラッキーだけど、そうそう喜べない変な体験でした。
ほかの子ももらったことあるそうで、なるほどだから相方に気兼ねなく休みも取りやすかったのではないか、という負のループだったわけですね。
3.バイト天国のコンビニ
そんなわけで、バイトの子たちがみんなゆる〜い感じでした。
だいたい同じ曜日になる子は決まっていたので、要領がわかってくると、やるべきことが終わったら、あとはまったりと過ごすことができます。
先述の通り、ひどいコンビニなのでお客さんもすでに離れていたのでしょう。返品する雑誌を読んだり、おしゃべりしたり、コンビニバイトって楽だなぁ、と勘違いしていました。監視カメラも付いていたはずですが、怒られることもなく、ゆる〜い時間が流れていました。
10時に夜勤の男子バイトとバトンタッチするのですが、金髪ロッカーみたいなイカついお兄さんがけっこう入ってました。
そう考えると、バイトのシフトを回すだけで、店長って大変だとは思うのですが、逆にあの店長でよく24時間営業できていたものです。
長くは続くはずがない
けっきょく、仕事は楽すぎてもつまらない、という学びがあったのか、ただ飽きただけなのか、長くは続けられずに辞めてしまいました。
数年後、そのコンビニはつぶれていました。当然です。
ゆるいとはいえ、コンビニの裏方の仕組みが一通りわかったし、ダメな大人を間近で見ることができて、良いのか悪いのか、レアな経験をしました。
ただ、ファミリーマートで働いていたのに、当時はまるで好きになれなかったことは、申し訳なく思ってしまいます。
日本のコンビニはやっぱりすごい
日本のコンビニは、今も昔も、世界で絶賛される質を誇っています。
それは、取り扱い商品が豊富で、いつも売れ筋が並び、ありとあらゆるサービスが集結しているからですよね。そうでない店を見たから、そのありがたみがよく分かるというもので。
しかもあのころに比べてサービスが増大し、もっと仕事が増えて、コンビニ経営も楽じゃないはずです。いまは外国人のアルバイトさんも多いですし、無人レジも増えたし、コンビニの変化に時代が見えかくれします。
それでも、わたしは初めてのコンビニへ行くと、店長らしき人を探してしまいます。コンビニといえどもお店の雰囲気って、店長の色が出るものです。
活気の有無、清潔感、また来たいと思えるか、店長を見て答え合わせができる気がしています。
ウン十年前の一時期のアルバイトを思い出して、きょうもコンビニ利用しました。ファミペイで!