おうちパフェのすゝめ
パフェ。誰もが一度は憧れる総合スイーツ。ファミレスで700円くらいから楽しめるものから、専門店で数千円出してご褒美感まで味わえるスペシャルなスイーツである。
しかし、総合スイーツだけあって素材の組み合わせは無限大である。底に敷くのはコーンフレークかクランブルか、ゼリーなのかムースなのか……この時点で既に好みが分かれるので、専門店でも「この味でこれが入っていたら」と思うことがあるかもしれない。
ならば、己の好きなものだけを使ったパフェを家で作ればいいのでは?
複数の素材を組み合わせると素材が余ったり手間が掛かったりと大変ではあるが、今回は家庭でも簡単に作れて素材の使い回しが出来るようなものを紹介しようと思う。
①まずは器を選ぼう
パフェと言えばパフェグラス。先端が花びらのように波打つグラスや、たっぷりと入る高さのあるグラスを想像される方が多いだろう。形から入りたいならそれを購入するのも良いが、食器棚に収納しにくいのは覚悟してほしい。
そんなに頻繁に作る予定が無い方は極論「透明な容器」であれば何でも構わない。急に思い立って麦茶のグラスを流用したって構わないのだ。
実際購入するなら、百均の食器売り場にあるデザートグラスやワイングラスなどをお求めいただくといいだろう。プラスチックの使い捨てカップもおすすめだ。
今回はダイソーで300円で購入したワイングラスを使用する。やや厚みがあるので少々お高いが、形はとても良いのでおすすめだ。
②方向性を決めよう
パフェに何を入れるか、これはモチベーションに繋がる重要事項である。とは言え何も指標が無い状態で選ぶのは至難の業。なので大まかに方向性を決めると良い。具体的には「何をメインにするか」である。
例えばチョコクリームを使いたいのに底に入っているのがフルーツゼリーというのは中々合わない。何ならチョコとぶどうの組み合わせは非常に高いセンスを求められる。そういった事故を減らすためにも、一番食べたい素材を中心にジャンルを確定させてしまいたい。
決め方としては「生の果物を使うか」「チョコ・キャラメルなど味の濃い素材を使うか」「ゼリーを使うか」を主軸に考えるといいと思う。
どこに何を入れるべきかをざっくり分類すると、
底:コーンフレーク、グラノーラ、クランブル(砕いたクッキー)、ゼリー、ムース、プリン
中:スポンジ生地、ムース、プリン、アイス、フルーツ
上:アイス、フルーツ、フルーツソース、チョコソース、ウエハース、ポッキーなど
上記の中から選んで組み合わせると考えやすいかもしれない。もちろん記載がないものを使っても構わないし、底にフルーツを入れるのも自由だ。
個人的にはコーンフレークなどある程度固さのあるものを底・中に入れない場合、ウエハースやポッキーなどのサクサクしたものを上にのせた方がバランスが良くなると思う。
今回はフルーツギフトを頂いたので、ぶどうをメインに考えていく。とても瑞々しいので、果実感をぶどうに集中させるためにゼリーは不使用という路線にした。
③設計図を作ろう
メインにする食材が決まれば、次に考えるべきは重ねる順番だ。その場のノリで突っ込むとトライフルになりかねないので、あらかじめ順番だけでも決めておく必要がある。絵が描けなくてもいいのでメモしておこう。
ここで1つポイントなのだが、層の分け目にはホイップクリームを使うことをおすすめしたい。例えばシリアル→ホイップクリーム→マンゴープリンと重ねれば、クリームがプリンの水分からシリアルを守ってくれるので最後までサクサクを維持出来る。
というわけで実際に作ってみた設計図がこちら。
フルーチェを使うことでクリームの量を少し減らし、更にヨーグルトでさっぱりさせて夏でも食べやすいパフェをイメージした。ブルーベリーソースは主に彩りのため。パフェは見た目が重要である。
④作ってみよう
設計図が出来たら後は組み立てるだけ。今回使った材料はこちら。
画像には入っていないが、プレーンヨーグルトとトッポも使用する。プリッツではやや細いなと思ったので設計図から変更した。
らくらくホイップは大体2人前のパフェが作れる量なので一人暮らしでもホイップが余るなどの心配がいらない便利アイテムだ。コーンフレークはプレーンをおすすめするが、シュガーでも可。ベリー系フルグラでも美味しい。
まずはコーンフレークを容器に入れ、ホイップでしっかり蓋をする。隙間があるとフルーチェを入れた段階で湿気ってしまうのでご注意願いたい。
フルーチェはしっかり冷えた状態でしっかりかき混ぜてから入れると均したあとある程度固まってくれるので次の作業がしやすくなるのでおすすめ。できる限り容器の縁に付かないように入れると見栄えが良い。
容器がカーブがかっているためマスカットを2mmくらいの薄切りにしてぐるっと貼り付け、プレーンヨーグルトを入れてホイップで蓋をする。ナイフなどで均すと見栄えが良くなる。
ブルーベリーソースはブルーベリージャムに少し水を入れて伸ばしたものでも可。今回は柔らかいジャムだったのでそのままのせて全面に広げた。見栄えを良くするなら、縁をペーパーなどで拭き取って綺麗にしよう。
ピオーネを飾る土台としてホイップを高さが出るように絞り、ピオーネをのせる。この時十字にぐるっと切れ込みを入れて皮を剥くとちょっとおしゃれになるのでおすすめだ。
最後にトッポを適当な長さに折ってホイップに突き刺せば完成である。手に入るならミントを飾ると更に良い。
完成
完成品がこちら。自画自賛になるが、それなりのものに仕上がったと思う。
天面からジャムとホイップで甘ったるいところを、プレーンヨーグルトがさっぱりさせてマスカットの甘みを感じやすくさせてくれる。
ピオーネの皮に含まれる僅かな苦みが舌を引き締め、最後まで重いと感じることなく食べれる一品となった。
終わりに
余った材料はホイップ、フルーチェ、コーンフレークでミニデザートを作った後は、普通に朝食や小腹が空いたときに消費できると思う。
また、フルーツ類に関しても今回はギフトなので余らなかったが、ヨーグルトと合わせたり牛乳とミキサーに掛けたりして美味しく頂こう。
大体の料理で一人前分のみを作るのは逆に手間という理由から敬遠されがちだが、パフェは正直複数人分作る方が手間である。ただ重ねるだけではあるが、これを何個も作るのは大変だ。店員さんには頭が上がらない。
ただ、好きなものだけを使ったパフェを作れるのは自炊ならではの利点だ。この記事を見て案外簡単だなと思った方は、ぜひ挑戦してみてほしい。