見出し画像

③大変失礼いたしました



電話が苦手な人は多いだろう。
私もその一人だ。知らない番号はまずググる。
安心してからかけ直す。これ毎回。


しかし事務職員のバイトは違った。
事務職員、特に不動産関係は絶対に(しかも早めに)電話を取らなければならないという根絶すべき悪しき風潮がある。
早い時は「プルルルルル」の「プr」くらいでもう電話を耳と肩の間に挟み右手はメモ、左手は資料においてある。


電話対応は珍事件の宝庫だ。
なんてったって喋る。喋れば間違える。
加えて僕は不眠症である。昼間は眠い。何か起こらないわけが無い。
事件は大体僕がパニックになり相手が絶句する。
お客様(以下客)には大変ご迷惑をおかけした。



①いきなり試合終了

プルルル

僕「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇、河内がお受け致しました。」

客「!?!?」

僕「!?!?!?」



②社長はいません

プルルル

僕「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇、河内がお受け致します。」

客「お疲れ様です。〇〇社の△△です。社長いる?」

僕「大変申し訳ありません。現在 □□(社長)は只今外出しております。」

隣に座る社長「!?!?!?!?!?」

それに今気づいた僕「!!!!!!!!!シャチョウ…!」



③私は誰ですか

プルルル

・・・・(会話)

客「ありがとうございまいした。最後にもう一度、お名前よろしいですか?」


僕「はい、わたくし河内と思います。」

客「!?!?!?!」

僕「申します!!!!!!」



④用は終わりだ

プルルル

客「引越しをするのですが、聞きたいことがあって…」

僕「お電話ありがとうございます。ではまずはじめに物件名とお客様のお名前をお願いします。」

客「DOKODOKOマンションの誰々です。」

僕「ありがとうございました。またのご連絡をお待ちしております。」

客「ありがとうございました????????」

僕「!?!?!?!?!?!?!?」



⑤コーヒーに引っ張られすぎ

僕「先輩コーヒー飲みますか〜」

先輩「飲む〜ありがと〜^^」

僕「いいえ〜豆も足しときますね〜^^」

プルルル

僕「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇、コーヒーがお受け致します。」

客「!!!!!!!!!」

僕「?????????」




こんな感じである。
ブチ切れていたお客さんに大学まで聞かれ、とっさに東大と大嘘をついたこともあった。

僕のトンチンカンな電話にも笑ってくださった方ばかりで助かった。
「君はいい声をしている」とまでおっしゃってくださった方もいた。(聴力検査に行ったほうがいい。もしくは電話が壊れている)
膨大な書類は鈍器のようなものになる程だったが事務仕事は自分にあっていたと思う。




まだ20歳。
たくさんの仕事を経験してもっとあるあるを言えるようになりたい。


いいなと思ったら応援しよう!

極悪
どうも。 サッと読んでクスッと笑えるようなブログを目指して書いています。