③先生、猫の首がありません
こんな事件を筆頭に僕らのクラスはいつも賑やかだった。
当時クラスで1番か2番目に頭の良かったSはネジが数本ぬけていて、教室前の垣根にダイビングしたり両足同時に捻挫したりしていた。
(口を開けばモテたいと言っていたSは今はゴミ屋敷のような部屋で一人暮らしをしている)
当時1番ムキムキだったTは授業中に彼女とのプリクラを整理していたら没収、拡大コピーののち張り出されるという仕打ちを受けていた。
イオンで機動戦士ガンダムのゲームをしているところを見られ、あだ名が「ガンダム」になってしまったクラスメイトもいた。
ひねりのなさすぎるあだ名である。今では本名を忘れガンダムとだけ覚えている。
先生は怒っていない時以外は超優しかった。
「学生時代、猫を食ったことがある」といういつかの犯行を示唆させる発言をして生徒を泣かせる先生もいた。
男子で焼肉に行った時、確認不足によって互いのテーブルで全員分の肉を注文した結果、タン塩が27人前届くという事件もあった。
大食い大会決勝戦並みのハードモードである。
後半、ラグビー部のTが見たことのない表情をしていた。
僕は化学で1を取ったり学年末の数学で0点を記録したりした。
決して今ブログのネタにするためではない。
0点を取った時は流石に驚いた。
これではまずいと徹夜で勉強して再試で98点を取り返すのだが、徹夜の間エンドレスで奥華子さんのガーネットを聞いていたため、4年経った今でもガーネットがそらで歌える。
田舎の高校生は放課後にイオン、テスト終わりにカラオケである。
遺伝子にそう書いてある。
高校生フリータイム料金で10時間以上カラオケにいたこともある。
歌手かカラオケ屋の店長を志す修行僧の域である。
3時間超えたあたりから歌う順番もどうでもよくなるし、誰も聞いてない。
後半はサビしか知らない曲まで入れ出し、「こんな歌詞あったんだ!」とCメロに初顔合わせをする羽目になる。
歌を歌っているというか歌に歌われている。
(田舎の風物詩だが犬を散歩させているおばあちゃんより犬に散歩されてるおばあちゃんの方が多い)
なんでもないような日常だったが、今となっては全てが懐かしい。
ここに書き記すのはこのくらいにしておこう。
高2、高3の話はまた機会があればしようかな。