【120時間労働】大学新1年生、アルバイトで12万円貯めるチャレンジ
当時、大学1年生。
僕は国際環境経済学部という漢字書取りテストのような学部にいた。
海外ボランティアに行きたいと思った僕は説明会に出向き、一番可愛い子についていってハンコを押した。
「「「「「「参加費 12万」」」」」」」
っっっっっっっっっええええ!!!!!!!!!
底抜けの馬鹿と言っていい。
人の話はちゃんと聞く、書いてあることは読む。
怠ってはならない。
その瞬間から、僕の1ヶ月で12万円貯めるチャレンジがスタートした。
当時居酒屋と不動産会社でバイトをしていた僕は店長に
「入れるだけ入れてください」
と伝えた。
店長は「了解」とだけ言い、シフト表ができた時には僕の名前がひたすらに続いていた。
居酒屋バイトのない空いている日をリストアップし、不動産会社に「この日全部働きます(シフト自己宣告制だった)」と伝えた。
社長は「了解〜」と言った。
大学入ったばかりの1年生に貯金などない。
うっっっっっしゃああああああああ働くぞおおおお!!!!
僕は気合を入れた!
くる日も来る日もダシマキタマゴ!
今日も明日もポテトフライ!
右から左へハイボール!
あなたも私もレモンサワー!
僕は厨房のマエストロと化した。
15時から深夜2時まで働き続けた。
なんてったって僕は今月120時間働かねばならないのだ。
前しか見えねぇ。
当時の僕は熱気を帯びていた。
「絶対にあの可愛い人と、海外ボランティアに行きたい・・・!」
美人のパワーは本当に恐ろしいものだ。
6月も後半。
まだ、、、、、半分!?!?!?
僕の手には絶対に半月ではできないであろう だしまき火傷 や アボカド切り傷ができていた。
もう何も考えずオーダーを処理できるようになっていた。
アホほど早い速度の料理を同時進行し完璧な比率のビールを注いでいた。
無心だった。
手が4本あった。
厨房のマエストロは感情を消すことによって完全な業務を可能にしたのである!
それ以降の記憶はあまりない。
くる日も来る日もダシマキタマゴ。
今日も明日もポテトフライ。
右から左へハイボール。
あなたも私もレモンサワー。
クルヒモクルヒモダシマキタマゴ。
キョウモアシタモポテトフライ。
ミギカラヒダリヘハイボール。
アナタモワタシモレモンサワー。
それからしばらく経った日。
僕は140000円の給料明細を握りしめていた。
静かに、力いっぱいガッツポーズをした。
爪が手のひらに食い込む。
嬉しい。がんばった。
お疲れ様。自分。
ありがとう。
かくして、僕の1ヶ月12万貯金チャレンジは2万円オーバーという花々しい結果に終わった。
その夏、単位が6つ落ちた。