①河内、ちょっと裸踊りしてくれ
今日は大好きだった吹奏楽部の記事を書く。
完全に僕の偏見と体験なので一般論だと思わないでほしい。
僕も主語を大きくしすぎないよう努力してみる。
吹奏楽部は、ちょっと特殊な部活だ。
現在中高生の方は「吹奏楽部に入っている男子はナヨナヨしい」などという偏見を持っているかもしれないが、そんなことはない。
ぜひ一度ステージで演奏している姿を見てくれ。
きっと惚れるぞ。
吹部男子は大体おもしろい。
生粋のスットコドッカーたちが女子部員の尻に敷かれながら今日も音を外し、目線を外し、青春を踏み外している。
まず女子部員が多い。
女社会である。部内ミーティングでちょっと深刻になると誰か泣く。
(部長はコンクール本番後と引退以外泣かない)
女子には女子の話の進め方がある。
ちょっと口を挟んでごらんなさい。
「男子は黙ってて!」という美しいメロディーがフォルティッシモで聞こえてくる。
アイスを選ぶのも最後だ。出しゃばってはいけない。
僕たちの望みはアイスを早く取ることではない。
お嬢様方がひとりも機嫌を損ねることなく今日も平和に練習が行えることだ。
食べたら歯磨けよ〜。
次に、練習時間が異常なほど長い。
マジで異常だ。年に数えるほどしか休みがない。
(逆に休みになると何をしていいか分からなくなる)
一日連の日は朝9時から4時まで練習があった。
誰も突っ込まなかったが長すぎる。
その間ずっと座って、息を吹き、怒られ、また息を吹くのだ。
先生は時計の存在をたまに忘れる。
「もう一回!」が音楽室に響き渡る。
疲労困憊すると演奏が終わった後に(あれ?今俺吹いてたよな・・・?)となることもある。
「そこ一人ずつ吹いて」
これは先生からの死刑宣告である。
「裸で踊って」
となんら変わりない。
バレる。自分のせいでパート全体の音程が悪いのがバレる。
しかもそこあんま練習してなかったとこや。
そして一人で怒られる。
しまいには「合うまで別部屋で練習してこい」という地獄パンチをお見舞いされることもある。
帰ってきた、ということは「もう完璧です。絶対音程合います。」という意思表示をせねばならない。
そんなの一生かかっても無理だ。
穴があるなら入りたい。チューバに入って泣いていたい。
先生怖い。練習終わらない。
部員達の(ごめんよ。今誰もお前を助けられない)という無言のメッセージを背中で受け止め音楽室を一人で出る。
つまるところ、吹奏楽部は精神が鍛えられる(痛めつけられる)部活なのだ。