高知の旅(3)本家にも認められる圧巻の「モネの庭」
高知の旅、3日目は快晴。朝7時から鏡川沿いをランニングをした。爽やかな気候で気持ち良かった。川は澄んでいて、釣りをしている人がいた。
帰りは坂本龍馬生誕の地、龍馬が剣術を習っていた日根野道場跡、板垣退助生誕の地などを通ってホテルに戻ってきた。龍馬や幕末を身近に感じる、良い歴史散策となった。
大浴場で汗を流し、観光に出かける。今日は高知市から室戸岬方面へ1時間半ドライブし、「北川村モネの庭マルモッタン」を訪ねた。結論から言うと、ここは素晴らしいところだ。
まず、この場所の背景から説明しよう。印象派の画家クロード・モネの代表作といえば『睡蓮』である。多くの方が一度くらいは観たことがあるだろう。モネは43歳から、生涯の半分をフランスのジヴェルニーという街で過ごした。そのジヴェルニーの邸宅に、アトリエと「モネの庭」があった。美しい睡蓮のあるこの庭をモネは愛した。そして晩年、約200点もの『睡蓮』を描いたという。
「北川村モネの庭マルモッタン」は、このジヴェルニーの庭を再現している。クロード・モネ財団のお墨付きであり、世界で唯一、本家から「モネの庭」と名乗ることを許された庭園なのだ。そんな稀有な観光スポットが、高知市どころか、そこからさらに50kmも離れた田舎町にあることが驚きである。訪ねづらい。しかし訪ねる価値は大いにある。
11時半、「北川村モネの庭マルモッタン」に到着。園内は「花の庭」「水の庭」「ボルディゲラの庭」という3つのエリアに分かれている。実は本家ジヴェルニーの「モネの庭」にも、「花の庭」と「水の庭」がある。しかし「ボルディゲラの庭」はこの北川村のオリジナルのもの。ボルディゲラとは、地中海に面したイタリア・リヴィエラ海岸の街で、モネは43歳の時にルノワールとこの地を訪れ、光と色彩に感動して絵を描いたのだという。その作品から着想して造られたのが「ボルディゲラの庭」だ。
2010年のヨーロッパ自転車旅の途中、ぼくは南仏ニースからモナコを経由し、フランスとイタリアの国境の街ヴェンティミーリアまで走ったことがある。その日はヴェンティミーリアから鉄道でジェノヴァまで行ったのだが、地図で調べてみるとヴェンティミーリアの隣町がボルディゲラだった。「ここなのか!」と思った。実際に訪ねてはいないものの、この辺りは街の雰囲気が似ているので、なんとなく景色は想像ができた。
今日はまず「花の庭」から。色とりどりの花が植えられて綺麗だった。
中学生たちがスタッフと一緒に作業しているので事情を聞いてみると、彼らはこの近くにある北川中学校の生徒たちで、来週からGWで来園客が増えるため、それに備えて草むしりを手伝っているとのことだった。遠足の一環だった。
考えてみれば、非常にラッキーな時期に訪ねられた。GW前で観光客は少なく、それでいて花は見頃を迎えている。おまけに快晴。ツイてる。
そしてお目当ての睡蓮の池がある「水の庭」へ。期待していた以上に美しく、実に素晴らしかった。睡蓮にはつい最近花が咲き始めた。これも幸運だった。
池を一周し、途中のいろいろな場所から写真を撮る。角度が変わると趣が変わる。様々な景色を楽しめた。
最後に「ボルディゲラの庭」へ。ここはガラッと雰囲気が変わり、まさに南仏やリヴィエラ海岸を旅しているような風情があった。
「風の丘」からは海も見渡せた。
大満足で庭園を後にし、お昼は奈半利駅前の「イタリア食堂 トンノ」で魚介のパスタとマスカルポーネのピザを食べた。
そしてまたドライブで高知市へ戻り、夕方「高知県立美術館」を訪問。常設展でシャガールやマティスの作品を堪能した。おかげで今日は芸術的な感性を刺激される一日となった。
最後はホテル近くの「シルバーガーデン」で「黒ごまきなこバナナジュース」を飲み、市内の名所「はりまや橋」を見て、「チョンマゲ」で名物「玉子焼きめし」を食べた。
明日が旅の最終日。全力で楽しみたい。
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