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日本人はなぜ働きすぎか?

4年半ロンドンに住んだ後、今年3月に日本に帰国しました。

海外駐在で現地の企業で働いたわけなのですが、久しぶりに日本に戻り、日本の企業に出勤しだしてから、働く文化の違いを毎日感じています。

日本人は残業が多く、働き過ぎのイメージがあると思いますが、少なくても、私が働いている会社(大手メーカー)とロンドンで働いていた場所の比較ではこれが当てはまるな、と思います。日本での方が自分自身も同僚も長く働いています。

とは言っても、必ずしも、現地にいた時より生産性が高いというわけではありません。アウトプットはむしろ少ないぐらいです。

では、違いは何か?ということですが•••私の考察からいうと、日本の方が短納期もしくはノー納期の仕事が圧倒的に多いからではと思います。

振られた仕事はすぐにやることが美徳のように思われていて、言われたらすぐ動く、きたメールはすぐに返す、ということを無意識にやっている人が多くいます。とくに、上司や社長から依頼されたことは、納期を確認せず第一優先で取り掛かることは多くないでしょうか?特に目上の人に納期を聞くことが悪いことという思い込みすらある気がします。

イギリスにいた時に同じことが完全になかったかと言われれば嘘になりますが、日本には盲目的にこの行動をしている人が非常に多くいます。

なぜこう言ったことが起こるのでしょうか?私は日本の世の中があまりにも便利すぎて、すぐに答えを出すこと•反応すること慣れすぎているからだと考えます。

日本に住まれている方には当たり前かと思いますが、そこら中に自動販売機、コンビニ、ラーメン屋、マッサージ店がどこの街を歩いても揃っていることは世界でも日本以外ないと思います。ほぼ全ての欲求が瞬時に満たされるようデザインされているのです。先日、家の電気に問題が出たので、業者に電話をしたら、30分で自宅に来て修理をしてくれました。

これは先進国のイギリスでも以前住んだアメリカニューヨークでもないことです。電気が壊れても平気で数日待たせますし、日曜日にはスーパーも含めて営業時間は短くなるか、休むのが普通です。

いい悪いではなく、こういうなんでもすぐに手に入る社会で、日本人は「せっかち」になっているのだと思います。逆にイギリスでは、そもそも期待値が低いので、皆さんゆったりおおらかに構える方が多く感じました。※もちろん個人差はあります

私は日本の社会を否定しているわけではありませんし、この便利さを追求したところが日本の、特に、製品開発の強みだと思います

ただ、何もかもすぐ手に入る・逆にすぐにやらないといけない感覚を職場に持ち込んでしまうと、スケジューリングがはっきりとしないまま盲目的に動くことが増えてしまいます。

元気な声で「はい!」と言う前に、しっかりと納期を確認しましょう。それだけで、何をいつまでにやればいいか、整理されます。

残業が多い、振られたことをとにかくこなしている方がいらしたら、ぜひ勇気を絞って、案件ごとにいつまでになぜ必要か、きいてみてください。言いづらければ、今仕事が回ってないことを正直に認めた上で、聞くといいと思います。何度も聞けば、相手も慣れてきて、自然とそれが文化になります。

では。


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