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体験談:BtoBマーケティングのあるある課題と解決策 | ターゲットが不明確

予算が潤沢、予算がない、外資、ゼロからマーケチーム発足…など様々な背景でBtoBマーケティングに従事してきました。

そんな中、どのケースでも起こった課題が下記です。

  • ターゲットが不明確

  • ターゲットリードが獲得できない → 解決策

  • ポジショニングが不明瞭

  • コンテンツアイデアがない → 解決策

  • BtoBマーケティングの成果が財務指標で評価されにくい → 解決策

  • マーケティングと営業の関係性が悪い → 解決策

  • リード獲得から受注においてどこが最重要課題かわからない →解決策

  • どのリードが効果的かわからない

  • メールデザインがイケてない

  • コンテンツ生成スピードが遅い

  • SEOが弱い

  • コンテンツの効果測定ができていない

  • MAが機能していない

  • (外資の場合)本国との連携がうまくいっていない

  • 何の施策をやったらいいのかわからない

  • マーケ → インサイドセールス → 営業の連帯感が弱い

  • 採用がうまくいかない

  • MQLが増えない

私は「コレは課題だな」と気づいたらMacのメモにためています。

たまったメモを見返していると「あれ、これ前にもあったな?」と、あるある課題が見えてきました。それが前述した課題18個。

本稿では実体験を元に、それぞれの課題解決策を紹介します。

※他の課題解決策は、随時更新していきます。

ターゲットが不明確

「御社のターゲットは?」と、社内やクライアントに聞いてパッと答えられないことが多々ありました。

ないしは、マーケはA、営業はB、経営ラインはC…のようなチーム毎にターゲットの捉え方が異なるケースも。

私の場合、下記のステップでターゲット定め「ターゲットが不明確」の課題を解決しています。

  1. 既存顧客企業の情報をスプレッドシートに集める

  2. 粗利額が高い順に並べ、ざっくり3~5つに区切る

  3. 粗利の高い企業と低い企業の違いや特徴を見出す

  4. 3で得た情報を元にターゲット企業を定める

  5. 既存顧客にいない業界、および、3の情報が当てはまる企業もターゲット企業に定める

  6. 社外のBtoBマーケターにチェックしてもらう

  7. (外資であれば)各国の既存顧客分析を実施

  8. (お金があれば)SaaSを活用した分析

1.既存顧客企業の情報をスプレッドシートに集める

A列に企業名を入れ、B列以降はあらゆる情報を付加します。

売上、粗利、担当営業、企業の財務情報、キャッシュフローの状況、営業のヒアリング情報…などなど。

製品・サービスによって扱う情報は異なるかと思いますので、上記は一例です。

とにかく、ありったけの情報を付加します。

2.粗利額が高い順に並べ、ざっくり3~5つに区切る

これは並べてみるとおもしろい結果が見えてきます。

とあるSaaSのマーケ担当をしていた際、スプレッドシート上でグループを3つに分けました。

すると、粗利額の高いグループは更新率が高く、一方、粗利額の低いグループは更新率が低い。

背景を調べていくと、粗利額の低いグループはとある業界が多く、営業にヒアリングすると「この業界は受注が簡単」との理由でした。

しかし、その後カスタマーサクセスにヒアリングすると「この業界は更新が難しいし、粗利額は低いのに細かな対応に追われる」といったことが判明。

このような背景だから「この業界は狙わない」との意思決定はしませんでした。

営業からすれば、受注できるのであれば取りたいですし、カスタマーサクセスもMAを使った効率的なフォローなど改善余地があったので。

上記は一例ですが、このステップを踏むだけでも色々見えてくるのでおすすめです。

重要なのはマーケ担当が背景を知っておくことで、全体最適化しやすく、かつ、粗利額向上を図った効率の良い施策考案に繋げられることです。

上記の例ですと、粗利額の高い業界に狙いを定め、導入事例インタビュー、同業界の調査レポート量産など、コンテンツを拡充。

これによりリード生成、インサイドセールスのトークネタ、営業が商談時に見せれる資料、カスタマーサクセスのアップセルサポートに転用でき、全体最適化を実施しました。

3.粗利の高い企業と低い企業の違いや特徴を見出す

このステップが一番大変です。

スプレッドシートとひたすら向き合うため、時間がかかります。

例えば、営業のヒアリングメモ情報から共通項を見つけるのは時間がかかります。

テキスト情報を目検のみで分析するのはしんどいので、テキストマイニングを利用のがおすすめです。

余談ですが、私は300社ほどの既存顧客を分析すべく、当時のインターン生3人と私の家で2泊の分析合宿をしました。

泥臭い作業でしたが結果的にこの合宿が功を奏し、新たなターゲット企業を見出せたのはいい思い出です。

4.3で得た情報を元にターゲット企業を定める

実際にあった例ですと、分析の結果「業界A」かつ「当期純利益額X円以上」の2つの要素が揃った企業は下記の特徴がありました。

  • 受注粗利額が高い

  • 更新率が高い

  • トップセールス以外でも受注できていた

  • 業界Aに潜在顧客が多い

これらの理由から「業界Aかつ当期純利益額X円以上」の企業をリストアップしました。

5.既存顧客にいない業界、および、3の情報が当てはまる企業もターゲット企業に定める

4までのステップにおける前提は「既存顧客」です。

つまり既存にいない業界・企業は、"もしかしたら"受注拡大のチャンスでもあります。

とはいえ、ただ「既存にいない業界・企業」だけではターゲットが定まりきらないので「3.粗利の高い企業と低い企業の違いや特徴を見出す」の情報を活用します。

例えば前述した「当期純利益X円以上」の特徴を活かし、「"既存にいない業界・企業"および当期純利益X円以上」でリストアップします。

ただ、これまで受注できていないということは「そもそも自社製品・サービスの解決策とニーズがマッチしていない」という可能性もあります。

なのでBtoBマーケターの攻め方においてリソース配分が重要です。

  • A:分析結果から定めたメインターゲットに5割

  • B:メインターゲットの類似業界・企業に3割

  • C:既存にいない業界・企業に2割

もしCが好調ならば、リソースをさらに増やします。

また、伸びている市場へも0.5~1割くらいのリソースでアプローチするのもありです。

例えば、2018年は仮想通貨バブルでした。

そこで仮想通貨に関するホワイトペーパーを作り、仮想通貨関連企業、また情報感度の高いユーザーの集客に成功しました。

6.社外のBtoBマーケターにチェックしてもらう

主観を完全に取り除くのは難しいです。

完璧な人間はいないので、ここまでのステップでどこからしらに情報や思考の漏れがあるものです。

私の場合、BtoBマーケティングに長けた友人・先輩が周りにいるので、飲みにいった際に「このターゲティングどう思う?」と、フィードバックをもらっています。

「こういう業界もありなんじゃない?」「うちだと最近こういうターゲティングで成功したよ!」など、新しい発見があります。

もし周りにBtoBマーケ関連の知人がいない場合、選択肢は二つ。

  • 六次の隔たり

  • プロに外注

「六次の隔たり」とは簡単にいえば、知人の知人の知人…とつないでいくと、会いたい人に会える法則です。

かくいう私も、5~6年前は今ほどBtoBマーケティングの情報が国内になかったため知人を辿っていきました。

当時在籍していた企業のCOOに「BtoBマーケの情報ほしい」と聞き、COOが海外SaaSベンダーのCMOにつないでくれ、そのCMOが担当マーケターをつないでくれました。

とにかく、周りの人に紹介をもらいましょう。

または外部のプロに外注するのも手です。ただ、社内説得の時間やお金がかかるデメリットがあります。

社内説得が容易、予算が潤沢の場合は、とりあえず外部に任せるのはありです。

ただこのようなケースはレアなので、個人的には六次の隔たり戦法がおすすめです。

7.(外資であれば)各国の既存顧客分析を実施

日本支社のマーケ担当であれば各国の既存顧客をチェックし、同業界・同業種をターゲットにするのも手っ取り早いです。

最低でも、下記を確認します。

  • なぜ、導入したか?

  • 今、どのように製品・サービスを活用してる?

  • (コンペだった場合)競合製品・サービスは?

海外担当者と仲良くなれれば、上記以外にも気になったことは色々聞きます。

ただ、海外比較する際はいくつか注意が必要です。

  • 商習慣や文化が各国で異なる

  • 日本市場が海外市場のトレンドに追いついていない

  • 競合が海外と異なる

1点目と2点目はあるあるです。

海外では受け入れられるが、国内では受け入れられない、といったケースは多々あります。

例えば2022年4月現在、日本国内では「ロイヤルティマーケティング」の概念は浸透していません。

しかし、アメリカではどのBtoC企業も取り入れてる概念です。

そのため市場形成してからでないと導入が進まない、または文脈を変えてアプローチする必要が出てきます。

また、競合も海外とは異なります。

ターゲティングというよりポジショニングの話になりますが、海外支社がコンペで勝った場合、勝因は参考程度に収めた方がいいでしょう。

8.(お金があれば)SaaSを活用した分析

SalesforceSPEEDAFORCASはおすすめです。

これらを組み合わせることで包括的に情報が取れるかつ、分析工数を圧縮してくれます。

ただ全て買うと何千万円といった出費になるので、まずは追加投資なしで進めるのがよいかと思います。

まとめ

既存企業に情報付加

共通項・違い・特徴の抽出

ターゲットを定める

上記のターゲット以外で同じ特徴を持つ企業を探す

社外チェック

の、順番でこなすのがいいかと思います。

私について

私は現在フリーのマーケターとしてBtoC老舗メーカー、BtoB再生可能エネルギー事業のお手伝いをしています。

これまでの経歴は下記です。

1社目:ITベンチャー(デジタルマーケティング支援 & 海外SaaS販売)
4度、社内異動しました。

  1. エンプラBtoC デジタルマーケティング支援 & 海外SaaS自社メディア運用

  2. SaaSを活用したデジタルマーケコンサルティング& 海外SaaS自社メディア運用

  3. BtoB SaaSマーケティング

  4. SaaS カスタマーサクセス


1社目退職

無職

2社目:外資SaaS新規営業
&
個人事業主としてBtoC革メーカーの支援開始

2社目退職

個人事業主のみ

これからはマーケティングの支援をしつつ、ポッドキャストに注力したいと考えています。

世界中のわくわくするIT情報を毎日サクッと5~6分で楽しく聞ける番組をやっています。ぜひ、聞いてみてください。

さらに、Oculus Quest2を活用したメタバースメディア…のようなことができないかと色々探っています。

記事をご覧頂き、ありがとうございました。


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