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「問い」が未来を創り出す:理想が見えない時の対処法

最近よく考えていることは、理想を持つことの重要性です。

「理想を持て」これ自体が理想論のように聞こえてしまうかもしれませんが、それでも大切だと思うんです。

人は生きていく上で1分1秒という単位でさまざまな選択を行っています。特に経営者は、選択の数や質、その重要度が大きいと思います。

その選択の基準は、その人の価値観からきているのです。人は自分の生き様ー何を良しとするかによって、さまざまな選択を行います。だから同じ出来事があったとしても、人によって選択は異なり、結果も異なる。

選択の基準を定めるために、理想が必要なんです。

例えば、理想がなかった場合、あるいは理想がぼんやりしている場合、これは錨を下ろしていない船のように、選択がブレてしまう。
いや、正確に言えば基本的に選択はブレる。たとえ理想があったとしても思わぬ選択を人はしてしまうものです。それは人間が感情を持つ生き物である限り、避けられないとは思うんですけども。
でも、理想があるかないかで、ブレの程度はけっこう変わるんじゃないかな。

日常の選択は基本的に無意識の中で行われています。そんな無意識の中でも、一度理想を自覚的に言葉にしておけば、それが無意識に落とし込まれるのです。ですから、理想をぼんやりとでも描いておくことは重要です。

しかし、いきなり理想を掲げることはなかなか難しいと思います。
そんな時に役立つ方法の一つとして、新たな「問い」を立てることで理想への橋渡しをするのはどうでしょうか。現状に不満があったり、何か疑問や違和感を感じていることがあれば、それをメモして「問い」の形に置き換えてみてください。

なぜ自分はこっちのほうが心地よいんだろう?
なぜあのときあの選択をしたんだろう?
なぜあの人は~~と言ったのだろう?
自分にとって◯◯とはどんな存在なんだろう?
◯◯がなかったら何か代わりはあるのかな?

このように問いを持つことで、意識的にそれへの答えを探し始めるダイナミズムが働き始めます。適切な問いがあれば、人は無意識にその答えを探し始めます。その結果、見るべきものが変わり、問いから理想にたどり着く道筋が見え始めるのです。

ドラッカーは、「いちばん重要で、なおかつむずかしいのは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを見つけることだ」と言っています※1。理想は現実とギャップがあります。つまり問い→解決という図式になります。そして問いに答えられれば、その問題は解決したということになる。
すなわち理想が実現するということです。

もちろんそんなに単純な話ばかりではありませんが、理想を掲げるよりもまず問いをたくさん立てて持っておき、それらを通じて理想に向かう道筋を見つけることで、理想に近づくスピードが少しだけ早まるのではないかと思います。

※1 Peter Drucker (1955).The Practice of Management
“The important and difficult job is never to find the right answer; it is to find the right question.” 

なにゆえ株式会社
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