"肩甲骨ダイエット"の真偽を検証してみた
健康についてリサーチをしているうちに、肩甲骨の重要性を説く人が多いことに気が付きました。
多くは肩こり解消の文脈とダイエットの文脈です。
(ちなみに高校球児の頃、投げる、打つ、走る動作に肩甲骨の柔軟性がとっても重要とトレーナーから聞いた、という文脈もある)
で、今回はダイエットの文脈について深堀りしたリサーチ結果を。
肩甲骨を動かすと痩せる?
肩甲骨まわりに、脂肪燃焼を助ける細胞が多く集まっているので、肩甲骨を動かすことで痩せる!というようなことを複数確認しました。
(主にYouTubeで発信されてる整体師さんたちとか検索上位のサイトとかで)
で、ホントなのかな?と思ってさらに調べていくとその”脂肪燃焼を助ける細胞”というのは「褐色脂肪細胞」と言われているらしい。
褐色脂肪細胞って?
褐色脂肪細胞
白色脂肪細胞は細胞内に栄養を脂肪として貯蓄しますが、褐色脂肪細胞は脂肪を分解し、熱を産生することで体温の調節をします。特に寒い環境下では、交感神経用語3の活動が高まるにつれて褐色脂肪細胞が活性化し、体温が下がりすぎないよう熱を産生します。
検索するとやはり「褐色脂肪細胞はダイエットの味方だ!」という主張が一定数出てきます。
アクセス稼ぎ目的の「いかがだったでしょうか?」記事はまあ一旦無視するとして...
褐色脂肪細胞はダイエットの味方なのか?
肯定派(資生堂が運営元)
褐色脂肪細胞は、体温が下がらないように体の中でヒーターのような役割を担うというわけです。しかし成長するにつれて他の体温調節の仕組みが発達して、逆に褐色脂肪が減り20歳代だと新生児の6割ぐらいになります。
(中略)
適確な手段さえあれば、減少を抑えることができるし、一旦なくなったものもでも増やすことができることが分かっています。つまり、褐色脂肪細胞をつくるための設計図は遺伝子として誰でも持っているので、成長するに従って“ヒーター”は要らなくなったとしても、必要に応じてまたつくりだすことができるのです。
はっきりした効果を得るには、薄着(例えばTシャツと短パン)で20度以下の部屋にいるといった程度の寒冷刺激が必要で、1~2時間いれば明らかに活性化されますし、数週間続けると褐色脂肪細胞が増えてそれに応じて体脂肪も減ります。でも、日常生活の中で寒冷刺激の原理を使って褐色脂肪細胞を活性化させる、すなわちダイエットに結び付けるのはなかなか難しいのも事実です。
最近、褐色脂肪細胞の仲間であるベージュ脂肪細胞が、寒冷刺激だけでなく運動によっても活性化される可能性が言われています。しかも、ベージュ脂肪細胞は体脂肪を減らすだけでなく、全身の糖代謝を活性化することも判ってきましたので、褐色脂肪細胞、特にベージュ細胞が肥満だけでなく、インスリン感受性や糖尿病の改善にも有効ではないかと、多くの研究者が関心を寄せています。
一定の効果があるとはいえ、まだ分かっていないことも多いとしています。
(インタビューから取捨選択されている情報ということを留意しておく必要があると思います)
否定派(著者は鍼灸師の方)
肩甲骨の刺激による褐色脂肪細胞の活性化は確認されておりません!!
冷えることで、褐色脂肪細胞は活性化するのは事実ですが、それは体温が低下して生命の危険から身を守るためです。つまり人為的に冷やしても意味がありません。
ハーバード大学医学部ダナ・ファーバー癌研究所のBruce Spiegelman博士の研究チームによって褐色脂肪細胞みたいな脂肪細胞が白色、褐色に続く第3の脂肪細胞「ベージュ脂肪細胞」として存在が明示され、医学専門誌「Cell」で発表されたのです。
ベージュ脂肪細胞を増やすには運動するしか方法はありません。ハードな運動をすれば、増えますし、たくさん運動をするということは普通に痩せます。つまり、簡単に痩せる方法などでもなんでもなく、ごく当たり前のことでしかないのです。
要するに
・褐色脂肪細胞がダイエットに関係するは正確ではない
・ベージュ脂肪細胞はワンチャンありかも
いずれにしても研究途上なので断言はできないことだけは断言できるみたいなところでしょうか。
"肩甲骨を動かせば痩せる"は言い過ぎ
肩甲骨まわりに、脂肪燃焼を助ける細胞が多く集まっているので、肩甲骨を動かすことで痩せる!というようなことを複数確認しました。
こういうざっくりしたのはどうやら誤りのようですね。
肩甲骨だけをケアしていてもダイエットに効果はないと。
(当たり前だ...)
思考のために身体を鍛える経過レポートを日々書いています