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「ストーリー・ブランド戦略」は怪しい?この書籍に隠された”秘密”とは?
こんにちは、佐藤洋介です。
(プロフィールはこちら)
今日は、
「ストーリー・ブランド戦略」は怪しい?この書籍に隠された”秘密”とは?
という内容で書いてみます。
ダイレクト出版さまから発刊されている
米国ベストセラー書籍である
「ストーリー・ブランド戦略」。
この本ですが、
結論から言うと、
まったく怪しい本ではなく、
ブランドストーリーを制作するにあたって、
とても参考になる書籍だとは思います。
しかし、色々と検証・考察してみると、
この書籍を参考に、
もっと効果の高いブランドストーリー
(顧客ストーリー)にブラッシュアップさせることはできそう。
というのが感想です。
「ストーリー・ブランド戦略」は怪しい?そもそもどんな書籍?
「ストーリー・ブランド戦略」(ドナルド・ミラー著・ダイレクト出版)とは、
スターウォーズやパイレーツ・オブ・カリビアンなど、
「大ヒットハリウッド映画に共通する”パターン”」
をビジネスにおける
ストーリー戦略に当てはめて使うノウハウを解説した書籍
です。
![](https://assets.st-note.com/img/1692438787776-TwI8kzqzDQ.png)
Amazonなどでは、
1万円を超えるような価格で販売されたりしています。
(だから、「怪しいのでは?」と思う方が多いのでしょうか?)
![](https://assets.st-note.com/img/1692439875004-PODdOcPnZI.png?width=1200)
■ドナルド・ミラー(Donald Miller)氏とは?
ストーリーブランド(Story Brand社)のCEOで、
『ニューヨークタイムズ』紙
ベストセラーリスト作品の著書です。
彼のストーリーブランド戦略で画期的だったのは、
【商品・サービス販促ストーリーを制作するにあたっては、「自社」や「売り手」ではなく、「顧客」を物語の「主人公」にすること】
を提唱した点だと思います。
初めて読んだ時は、
自分も目から鱗が落ちるような感覚を覚えました。
「ストーリー・ブランド戦略」は怪しい?「ストーリーブランドフレームワーク」とは?
本書では様々な角度から、
非常に示唆に富むマーケティング・メッセージのポイントが挙げられていますが、
その真骨頂は、実際のストーリー創りで活用する
「ストーリーブランドフレームワーク」
にあるかと思います。
■「ストーリーブランドフレームワーク」とは?
ドナルド・ミラー氏が本書で提唱している
「ストーリーブランドフレームワーク」
は、以下のようなものです。
①何らかの目的を持つ「主人公」(顧客)が
②それを達成する前に「問題」に出くわす。
主人公が絶望の淵に立たされた時に、
③「導き手」(売り手・紹介者)が現れて、
④「計画」(商品・サービス)を授け、
「行動を促す」
⑤その行動により、
主人公は「失敗」を回避して、
「成功」に至る。
要するに、
「悩みや問題、望みを持った主人公が、その商品・サービスを購入することで、それらが解決したり、叶ったりするブランドストーリー」
を描いていくわけです。
見込客は、
売り手(企業や起業家)が主人公のストーリーよりも、
同じような問題で悩んでいる人が
主人公のストーリーの方が、
より強くその物語に惹きこまれて、
より購入意欲が高まる、
ということだそうです。
「ストーリー・ブランド戦略」は怪しい?実際にフレームワーク通りに集客用LPを創ってみた結果・・・
以前に委託を受けて、
集客用のLP(ランディングページ)を制作した際、
上記の
「ストーリーブランドフレームワーク」
を使うと、
実際にどれくらいの効果があるのかな?
と思い、許可をいただいた上で
このフレームワークに沿ったストーリーを創りました。
それを
「ブランドストーリー漫画LP(ランディングページ)」
という形で制作してみました。
(※お問合せいただければお見せします。メールアドレスは記事の最下部に記載しています。)
■「ストーリーブランドフレームワーク」通りにストーリーを創った検証結果
かなり時間と予算がない中で制作したので、
LP自体のクオリティは高くありませんでしたが、
それでも実際に、
ストーリー型ではないLPと比較すると、
「約1.2倍」の集客効果がありました。
その意味では、
やはり
「ストーリーブランドフレームワーク」
は一定の効果を発揮する事が分かりました。
しかし同時に、
「どこかストーリー(物語)として浅い気がする・・・」
という違和感もありました。
「ストーリー・ブランド戦略」は怪しい?「ストーリーブランドフレームワーク」の”ストーリーライン”
ここで少し角度を変えて、
「ストーリーライン」
という概念について書いてみたいと思います。
ストーリーラインとは、
映画や小説など物語の
「ストーリー展開や起承転結などの、”筋の流れ”を表わす言葉」
です。
■「ストーリーブランドフレームワーク」のストーリーライン
このストーリーラインについて、
「ストーリーブランドフレームワーク」
はどのような流れとなるでしょうか?
・横軸を「時間(ストーリーの進み具合)」
・縦軸を「主人公の感情」
としてグラフ化してみたいと思います。
するとこんな形になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1692458832320-AtRs1z9M5Y.png?width=1200)
縦軸(主人公の感情)は、
上に行くほどプラス(ハッピー)で、
下に行くほどマイナス(ブルー)となります。
なぜ「主人公の感情」を縦軸に取るかというと、
主人公の感情(気分・テンション)が、
どう変化しているか、
を表わすため、です。
というのも、
ストーリーを観ている・読んでいる人は、
主人公に
「感情移入」
をしながら、
その物語を観たり読んだりします。
そのため、
「主人公の感情」
がどう変化していくかを表わすのは、
すなわち、視聴者・読者の感情がどう変化していくか、
を表すのと繋がります。
そして、その変化の回数や度合いによって、
視聴者・読者がどのくらい感情を揺さぶられて、
どのくらい物語に惹きこまれていくかが変わってきます。
そして、ブランドストーリーにおいては、
視聴者・読者が
物語に惹きこまれていけばいくほど、
購買意欲(や集客効果など)が高まる、
ということです。
要するに、
「ブランドストーリーの力を高めるために、いかにドラマティックに演出していくか?」
ということです。
あらためて、
「ストーリーブランドフレームワーク」の
ストーリーラインを再掲すると、
こんな形になっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1692458832320-AtRs1z9M5Y.png?width=1200)
結論として、
この「ストーリーブランドフレームワーク」のストーリーラインは、
ストーリーラインとしては、ごくシンプルな形です。
でも、
スターウォーズやパイレーツ・オブ・カリビアンなどの
「大ヒットハリウッド映画」
って、こんなにシンプルなストーリーラインなのでしょうか?
実は、ここにこの
「ストーリーブランドフレームワーク」の
「穴」
があると考えています。
要するに、
「ストーリーラインがシンプル過ぎて、
視聴者・読者がブランドストーリーにそこまで深く感情移入できない」
という弱点がある、
と言えます。
当然、購買意欲も最大限には喚起されません。
(集客効果も)
「ストーリー・ブランド戦略」は怪しい?「神話の法則」の”ストーリーライン”
■大ヒットしている物語の多くに共通する「神話の法則(ヒーローズジャーニー)」
実は、映画だけではなく、
小説やマンガ、テレビドラマでも、
大ヒットしている物語に
多く使われているのは、
「神話の法則(ヒーローズジャーニー)」
と呼ばれるストーリーのテンプレートです。
ハリウッド映画は
「神話の法則(ヒーローズジャーニー)に沿ったストーリーラインになっていなければ、脚本の段階で映画化はNGになる」
とまで言われているそうです。
当然、
スターウォーズやパイレーツ・オブ・カリビアンも、
このテンプレートに沿っています。
その「神話の法則(ヒーローズジャーニー)」
のストーリーラインは、
大まかに、
以下のようになっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1692459534149-lTrt31vk5f.png?width=1200)
(同じく、縦軸(主人公の感情)は、上に行くほどプラス(ハッピー)で、下に行くほどマイナス(ブルー)となります。)
要するに、
ストーリー(物語)に人を惹きつける力を最大限に持たすためには、
このくらいのストーリーライン、
そして、主人公の感情の起伏を付けないといけない。
ということです。
(※神話の法則については、別途、解説記事を書きます)
とりあえずグラフを見比べていただくと、
前者より複雑に
ストーリーラインが推移しているのが
お分かりいただけますでしょうか?
![](https://assets.st-note.com/img/1692458832320-AtRs1z9M5Y.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1692459534149-lTrt31vk5f.png?width=1200)
見比べていただけると、
一目瞭然かと思います。
■「ストーリーブランドフレームワーク」は「神話の法則」の簡易版だった
当然、著者のドナルド・ミラー氏が、「神話の法則(ヒーローズジャーニー)」を知らないはずはありません。
ただ、
「神話の法則(ヒーローズジャーニー)」
は少し、複雑です。
おそらくは、
誰にでも使いやすいテンプレートにするため、
「神話の法則(ヒーローズジャーニー)」
を簡素化したのが、
「ストーリーブランドフレームワーク」
なのだということでしょう。
(よく見ていただくと「ストーリーブランドフレームワーク」は、後者の⑤第一関門突破~⑧報酬までの形に似ていると思いませんか?)
ただし、個人的には、少し簡素化しすぎのような気がします。
書籍「ストーリー・ブランド戦略」の「ストーリーブランドフレームワーク」だと、どこか視聴者・読者の巻き込み力が弱い感じがする、
(購買意欲を促進しない、集客効果が思ったより出ない)
「ストーリーがなんか、浅い気がする」
というのは、ここに原因があった
ということです。
特にインターネットでの情報量がますます増加している昨今、
「ストーリーブランドフレームワーク」
だけの形では、
ストーリー(物語)の力を最大限には引き出せない、
そう感じています。
■対応策について
じゃあどうすればいいか?
というお話ですが、「神話の法則」ほど複雑ではなくても、
「ストーリーブランドフレームワーク」ほど簡潔すぎない、
その中間くらいのブランドストーリーのテンプレートが必要になると思います。
そこについては、また別記事で書いていきたいと思います。
「ストーリー・ブランド戦略」は怪しい?のまとめ
とは言え、ではこの「ストーリー・ブランド戦略」が
書籍として評価が低いのかというと、
決してそんなことはありません。
むしろ、
「顧客(見込客)を主人公とした物語を創る」
というのを提唱したのは、本当に天才のなせる業だと思います。
(個人的には、売り手が主人公の「商品・サービス開発ストーリー」と併せることで、さらなる相乗効果を発揮すると考えていますが)
この書籍を参考にして、あとはもう少しストーリーラインにこだわった
ブランドストーリーを創っていけば、素晴らしく高い効果を発揮すると思います。
少しお値段の高い書籍ではありますが、ブランドストーリーを研究したい方は、ぜひ一読されてみると良いかと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました^^
一般社団法人心のメンテナンス協会
佐藤洋介
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