見出し画像

「ストーリー・ブランド戦略」は怪しい?この書籍に隠された”秘密”とは?

こんにちは、佐藤洋介です。
(プロフィールはこちら)

今日は、

「ストーリー・ブランド戦略」は怪しい?この書籍に隠された”秘密”とは?

という内容で書いてみます。


ダイレクト出版さまから発刊されている
米国ベストセラー書籍である

「ストーリー・ブランド戦略」。


この本ですが、

結論から言うと、
まったく怪しい本ではなく、

ブランドストーリーを制作するにあたって、
とても参考になる書籍だとは思います。

しかし、色々と検証・考察してみると、
この書籍を参考に、

もっと効果の高いブランドストーリー
(顧客ストーリー)にブラッシュアップさせることはできそう。

というのが感想です。

「ストーリー・ブランド戦略」は怪しい?そもそもどんな書籍?


「ストーリー・ブランド戦略」(ドナルド・ミラー著・ダイレクト出版)とは、

スターウォーズやパイレーツ・オブ・カリビアンなど、

「大ヒットハリウッド映画に共通する”パターン”」

をビジネスにおける
ストーリー戦略に当てはめて使うノウハウを解説した書籍

です。

ストーリーブランド戦略(ドナルド・ミラー著)


Amazonなどでは、
1万円を超えるような価格で販売されたりしています。

(だから、「怪しいのでは?」と思う方が多いのでしょうか?)

Amazon検索結果より


■ドナルド・ミラー(Donald Miller)氏とは?


ストーリーブランド(Story Brand社)のCEOで、
『ニューヨークタイムズ』紙
ベストセラーリスト作品の著書です。

彼のストーリーブランド戦略で画期的だったのは、

【商品・サービス販促ストーリーを制作するにあたっては、「自社」や「売り手」ではなく、「顧客」を物語の「主人公」にすること】

を提唱した点だと思います。

初めて読んだ時は、
自分も目から鱗が落ちるような感覚を覚えました。


「ストーリー・ブランド戦略」は怪しい?「ストーリーブランドフレームワーク」とは?


本書では様々な角度から、
非常に示唆に富むマーケティング・メッセージのポイントが挙げられていますが、

その真骨頂は、実際のストーリー創りで活用する

「ストーリーブランドフレームワーク」

にあるかと思います。

■「ストーリーブランドフレームワーク」とは?


ドナルド・ミラー氏が本書で提唱している
「ストーリーブランドフレームワーク」
は、以下のようなものです。

①何らかの目的を持つ「主人公」(顧客)
②それを達成する前に「問題」に出くわす。

主人公が絶望の淵に立たされた時に、
「導き手」(売り手・紹介者)が現れて、
「計画」(商品・サービス)を授け、
「行動を促す」

⑤その行動により、
主人公は「失敗」を回避して、
「成功」に至る。

ストーリーブランド戦略(ドナルド・ミラー著)より

要するに、

「悩みや問題、望みを持った主人公が、その商品・サービスを購入することで、それらが解決したり、叶ったりするブランドストーリー」

を描いていくわけです。


見込客は、
売り手(企業や起業家)が主人公のストーリーよりも、

同じような問題で悩んでいる人が
主人公のストーリーの方が、

より強くその物語に惹きこまれて、
より購入意欲が高まる、

ということだそうです。

「ストーリー・ブランド戦略」は怪しい?実際にフレームワーク通りに集客用LPを創ってみた結果・・・



以前に委託を受けて、
集客用のLP(ランディングページ)を制作した際、

上記の
「ストーリーブランドフレームワーク」

を使うと、
実際にどれくらいの効果があるのかな?

と思い、許可をいただいた上で
このフレームワークに沿ったストーリーを創りました。


それを

「ブランドストーリー漫画LP(ランディングページ)」

という形で制作してみました。

(※お問合せいただければお見せします。メールアドレスは記事の最下部に記載しています。)


■「ストーリーブランドフレームワーク」通りにストーリーを創った検証結果


かなり時間と予算がない中で制作したので、
LP自体のクオリティは高くありませんでしたが、

それでも実際に、

ストーリー型ではないLPと比較すると、
「約1.2倍」の集客効果がありました。

その意味では、
やはり

「ストーリーブランドフレームワーク」

は一定の効果を発揮する事が分かりました。


しかし同時に、

「どこかストーリー(物語)として浅い気がする・・・」

という違和感もありました。


「ストーリー・ブランド戦略」は怪しい?「ストーリーブランドフレームワーク」の”ストーリーライン”


ここで少し角度を変えて、

「ストーリーライン」

という概念について書いてみたいと思います。

ストーリーラインとは、
映画や小説など物語の

「ストーリー展開や起承転結などの、”筋の流れ”を表わす言葉」

です。

■「ストーリーブランドフレームワーク」のストーリーライン



このストーリーラインについて、
「ストーリーブランドフレームワーク」
はどのような流れとなるでしょうか?

・横軸を「時間(ストーリーの進み具合)」

・縦軸を「主人公の感情」

としてグラフ化してみたいと思います。

するとこんな形になります。

「ストーリーブランドフレームワーク」のストーリーライン

縦軸(主人公の感情)は、

上に行くほどプラス(ハッピー)で、

下に行くほどマイナス(ブルー)となります。


なぜ「主人公の感情」を縦軸に取るかというと、

主人公の感情(気分・テンション)が、
どう変化しているか、

を表わすため、です。


というのも、
ストーリーを観ている・読んでいる人は、

主人公に

「感情移入」

をしながら、
その物語を観たり読んだりします。


そのため、

「主人公の感情」

がどう変化していくかを表わすのは、

すなわち、視聴者・読者の感情がどう変化していくか、

を表すのと繋がります。


そして、その変化の回数や度合いによって、


視聴者・読者がどのくらい感情を揺さぶられて、

どのくらい物語に惹きこまれていくかが変わってきます。


そして、ブランドストーリーにおいては、

視聴者・読者が

物語に惹きこまれていけばいくほど、

購買意欲(や集客効果など)が高まる、

ということです。



要するに、

「ブランドストーリーの力を高めるために、いかにドラマティックに演出していくか?」

ということです。


あらためて、

「ストーリーブランドフレームワーク」の
ストーリーラインを再掲すると、

こんな形になっています。

「ストーリーブランドフレームワーク」のストーリーライン(再掲)


結論として、

この「ストーリーブランドフレームワーク」のストーリーラインは、

ストーリーラインとしては、ごくシンプルな形です。



でも、

スターウォーズやパイレーツ・オブ・カリビアンなどの

「大ヒットハリウッド映画」

って、こんなにシンプルなストーリーラインなのでしょうか?

実は、ここにこの
「ストーリーブランドフレームワーク」の

「穴」

があると考えています。

要するに、

「ストーリーラインがシンプル過ぎて、
視聴者・読者がブランドストーリーにそこまで深く感情移入できない」


という弱点がある、

と言えます。

当然、購買意欲も最大限には喚起されません。
(集客効果も)


「ストーリー・ブランド戦略」は怪しい?「神話の法則」の”ストーリーライン”


■大ヒットしている物語の多くに共通する「神話の法則(ヒーローズジャーニー)」



実は、映画だけではなく、
小説やマンガ、テレビドラマでも、

大ヒットしている物語に
多く使われているのは、

「神話の法則(ヒーローズジャーニー)」

と呼ばれるストーリーのテンプレートです。


ハリウッド映画は

「神話の法則(ヒーローズジャーニー)に沿ったストーリーラインになっていなければ、脚本の段階で映画化はNGになる」

とまで言われているそうです。


当然、
スターウォーズやパイレーツ・オブ・カリビアンも、
このテンプレートに沿っています。


その「神話の法則(ヒーローズジャーニー)」
のストーリーラインは、

大まかに、
以下のようになっています。

「神話の法則」のストーリーライン


(同じく、縦軸(主人公の感情)は、上に行くほどプラス(ハッピー)で、下に行くほどマイナス(ブルー)となります。)


要するに、

ストーリー(物語)に人を惹きつける力を最大限に持たすためには、

このくらいのストーリーライン、

そして、主人公の感情の起伏を付けないといけない。


ということです。

(※神話の法則については、別途、解説記事を書きます)


とりあえずグラフを見比べていただくと、

前者より複雑に
ストーリーラインが推移しているのが
お分かりいただけますでしょうか?


「ストーリーブランドフレームワーク」のストーリーライン(再々掲)


「神話の法則」のストーリーライン(再掲)


見比べていただけると、
一目瞭然かと思います。

■「ストーリーブランドフレームワーク」は「神話の法則」の簡易版だった



当然、著者のドナルド・ミラー氏が、「神話の法則(ヒーローズジャーニー)」を知らないはずはありません。

ただ、

「神話の法則(ヒーローズジャーニー)」
は少し、複雑です。


おそらくは、

誰にでも使いやすいテンプレートにするため、

「神話の法則(ヒーローズジャーニー)」

を簡素化したのが、

「ストーリーブランドフレームワーク」

なのだということでしょう。

(よく見ていただくと「ストーリーブランドフレームワーク」は、後者の⑤第一関門突破~⑧報酬までの形に似ていると思いませんか?)


ただし、個人的には、少し簡素化しすぎのような気がします。


書籍「ストーリー・ブランド戦略」の「ストーリーブランドフレームワーク」だと、どこか視聴者・読者の巻き込み力が弱い感じがする、

(購買意欲を促進しない、集客効果が思ったより出ない)

「ストーリーがなんか、浅い気がする」

というのは、ここに原因があった

ということです。

特にインターネットでの情報量がますます増加している昨今、

「ストーリーブランドフレームワーク」
だけの形では、

ストーリー(物語)の力を最大限には引き出せない、

そう感じています。


■対応策について


じゃあどうすればいいか?

というお話ですが、「神話の法則」ほど複雑ではなくても、

「ストーリーブランドフレームワーク」ほど簡潔すぎない、

その中間くらいのブランドストーリーのテンプレートが必要になると思います。


そこについては、また別記事で書いていきたいと思います。


「ストーリー・ブランド戦略」は怪しい?のまとめ


とは言え、ではこの「ストーリー・ブランド戦略」が

書籍として評価が低いのかというと、
決してそんなことはありません。

むしろ、

「顧客(見込客)を主人公とした物語を創る」

というのを提唱したのは、本当に天才のなせる業だと思います。

(個人的には、売り手が主人公の「商品・サービス開発ストーリー」と併せることで、さらなる相乗効果を発揮すると考えていますが)


この書籍を参考にして、あとはもう少しストーリーラインにこだわった
ブランドストーリーを創っていけば、素晴らしく高い効果を発揮すると思います。

少しお値段の高い書籍ではありますが、ブランドストーリーを研究したい方は、ぜひ一読されてみると良いかと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました^^


一般社団法人心のメンテナンス協会
佐藤洋介

※お問合せはこちらまで

yosukesatoy19790807■gmail.com

(■を@に変えてお送りください)



いいなと思ったら応援しよう!