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【詩】 煙草

ちっぽけで
ぶきっちょな大人の心労など
ほとんど 報われることはなく
溜まっていずれ
捨てられる
煙草の灰と同等だろう

しかし思い返せ
渋面で くゆらせながら
ため息ついた
あのひとの横顔

投げやりの日々の連続にも
たとえば幕間の
鈴虫鳴く月夜に
束の間の
哀愁が
沁み入ることも
あるのかもしれないと

No.108


※ X投稿詩を書き直したものです。

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牙皎耀介
お読みいただきありがとうございました。なにか感じていただければ幸いです。