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映画「レミングたち」の覚書 | #6 湊凪

「レミングたち」の主人公の妹・渚の友人を演じてくれたのは、湊凪(あづな)さん、21歳です。昨年の春から、俳優として活動されています。

選ぶこと

渚役は、シネマプランナーズという映画制作・製作支援の掲示板サイトで募集しました。その時応募して来てくれた中で飛び抜けて魅力的だった1人が、湊凪さんです。最初に目に飛び込んで来たプロフィール写真から、とても文字には起こせない力強さを感じました。一発で惚れ込みました。

あずなプロフィール

芝居も見せてもらって、実際に向かい合って作品に対しての話もしました。経歴的にはまだ出演の経験はあまり多くないそうですが、それを感じさせない洗練された魅力がありました。ご自身でもものづくりをしていることもあるからなのか、映画作りへの貪欲さも感じました。「芝居をしたい、何かを作りたいのだ」という気持ちをひしひしと感じて、本当に悩みました。

最終的にこの「レミングたち」という物語の渚を高田さんにお願いしたのは、キャラクターのイメージに合致するかどうかの判断軸で、その選択への後悔は一切ありません。けれど、監督の仕事は"決断すること"で、1つの役には1人の俳優しかあてがうことができません。申し訳なく思いながらも、泣く泣く湊凪さんへお断りの連絡を入れました。今回はダメでも、いずれは必ず作品をご一緒したいと思いました。

渚の友人という役は最初の頃は脚本にありませんでした。しかし、病院が舞台でメインの3人だけだとあまりに狭い閉じた世界になってしまうので、外の世界との接続を感じさせる、広がりを持った存在として、この役を入れることにしました。

とはいえこの友人の出番はわずかで、そこにメインキャラクターの役へ応募して来てくれた方にお願いするのは失礼かもとは思いましたが、「いずれ一緒に作品を」の鮮度はなるべく早い方がいいと思い、まずは湊凪さんへ打診したところ、ありがたいことに快く引き受けていただけました。撮影まではごくわずかな時間しかなかったにも関わらず、しっかりと友人像を作って来てくれました。

あずな2

これまでに紹介した5人とは何かしら以前からの縁がありましたが、湊凪さんとはこの現場が初めてで、実は彼女のことはまだあまり分かっていません。せっかくこれだけ魅力的なのに、ここに載せれる写真もあまり持っていませんので、instagramからぜひ辿って見てください。

オーディションの経緯をこうやって書いたことは、湊凪さんからするとあまり快いものではないかもしれません。けれど、こんなに素敵な俳優さんがいるよと声を大にして言いたいし、撮影監督としてはもっとしっかりと腰を据えて彼女を撮る機会が欲しいと思っています。もっと深いところに、きっとたくさんのまだ知らない魅力があるのだろうとも感じます。

彼女の今後の活躍を、楽しみにしてくださると幸いです。



次は、盟友・渡邉聡について、書きます。



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