アートと教養の話
11月13日(水)曇り
Twitterでアートに関する興味深いツイートを見つけた。
その通りだなと思いつつ、ツイートに関するリプライを見ると、怒ってるものとかがあって、日本ではこのようにアートが受け取られているのかと勉強になって面白い。
知識や教養がないとアートを見てはいけないわけではないけれども、自ら考えたり学んだりするのが面倒で、ただ受け身で楽しみたい人は、アートよりもテレビでも見ていたほうがいいだろう。そしてアートの知識はあるに越したことはないけれども、一番大切なのは教養のほうだと思う。
教養というのは、人間が主体的に生きるための知識であり、あらかじめ答えが決まっている受験勉強とは似て非なるものだと僕は解釈している。世の中は決まった正解などない複雑系で、あらゆる状況の中から、自分なりの答えを見つけ出して行動していくしかない。そのために必要となる、「視野の広さ」こそが「教養」なのではないかと思う。栄養と同じくらい、教養は生きる助けとなるだろう。
僕が思う教養がある人の特徴を、思いつくままにまとめると下記になる
・知に貪欲で、好奇心旺盛
・視野が広く、常識にとらわれない、決めつけない
・異なる意見や考えを歓迎する
・理論的に考え、感情に流されない
・考えることそのものに楽しみを感じる
頭がいいとか、知識があると思う人はたくさんいれど、「この人は教養があるなぁ」と感心するのは上記のような人だったりするので、教養とは、結果ではなく姿勢の中に現れるものなのかもしれない。(まああくまで主観だけどね)
そんな教養ある人こそアートを見ることに向いているように思う。そして上記の逆のような人(わからないことを不快に思う人や、自分の考えに固執する人)は、あまり楽しめないと思うので、他のものを見に行ったほうがいい。
この夏、20年ぶりにフランスのパリを訪れた。20年なりの知識と教養がついた分、まだ学生で10代だった頃に比べ、パリのアートや建造物が別物のように深く楽しめたように思う。
知識や教養というと、つい堅苦しく考えられがちだが、知るということは本来楽しいことだし、知れば風景も違ってみえる意味で考えると、教養とは娯楽に近いのではないかと思わなくもない。