マンチェスター・シティー「降格」の危機④ーいよいよ始まった。「プレミアリーグ対マンチェスター・シティ」
いよいよ、プレミアリーグ対マンチェスター・シティーの「仲裁審判」が始まった。一つ、訂正しておかなければならない。私は、これまで「聴聞会」という表現をしていた。開始前に、様々なメディアを当たったのだが、はっきりとは書かれていなかった。ご容赦いただきたい。
しかし、今朝の新聞を読むと、"arbitration"という言葉が書かれていたことと、下級裁判所への訴えができることが担保されているというとのことから、「仲裁」という表現が適切だと考えた。これからは「仲裁審判」という表現を使わせていただく。
イングランドの法律に関して、全くの無知であるので申し訳がないが、「聴聞会」と「仲裁」では全く証拠に関する取り扱いが変わる。特に大事な点は、証人は「偽証罪」に問われる可能性があるということだ。
少しずつ具体的な内容が分かってきた。まず、最も大事なのが審判がいつ下るかである。つまり、シティーがポイント剥奪等を受ける場合、今シーズンが対象になるのか、ということである。
そこで、まずは下級裁判所への訴えに関してのデッドラインが決められた。今シーズン中、下級裁判所への訴えができるように審判はできるだけ早く下されるようだ。年明けに審判が下ることが見込まれている。
どのような審判が下るかによるが、シティーが審判を受け入れなけらば、処分は、今シーズンは対象にならないであろう。この点が取引材料になるであろうことは容易に想像できる。
シティーはイメージダウンを気にしないなら、莫大なお金を持っているのでいくらでも訴訟を続けられるだろう。EPL側は、リーグが稼いだお金から弁護士費用を支払っている。前回書いたように、EPLは、オーナーを株主とする株式会社である。分配金を配当と考えるならば、配当から弁護士費用を支払っているのである。他のオーナーがどこまで黙っているかが、見どころであろう。
その点、話題になっているのが、両者の弁護士費用である。これは、民事事件であるが、たとえであるが、検察官役を担うのはプレミアリーグ側が雇った弁護士になる。先例では、エヴァートンとの争訟があったが、そのときにEPL側が支払った弁護士費用は約9億円であった。これは、たった1件の財務規制違反であった。
現在、シティーに係っている嫌疑は130件(増えた)である。そのため、複数の弁護士事務所が総動員されている。天文学的な数字になることは間違いない。
シティ側は、1時間に5,000ポンド(約93万円)請求する複数の弁護士が主任を務めると報道されている。そして、彼らがパートナーを務める弁護士事務所も総動員される予定である。
こちらの方では、シティーCEOの電子メールがハッキングされ、リークされているので紹介しよう。和解の意思があるかどうか、CEOに尋ねた弁護士に対して、「和解するよりは、3000万ドルを支払っても10年間戦い続ける方を選ぶ」と徹底抗戦の構えだ。
以上が、「仲裁審判」開始時点の外観である。以上、下の記事を参考にした。