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「自分を追い込んでくれる人」の需要

今日は、「自分を追い込んでくれる人」について考えたことを書きます。

世の中には、何かを成し遂げるためのノウハウが溢れています。勉強方法、ビジネススキル、筋トレやダイエットなどの、人々が目的や欲望を達成するためのあらゆる情報が、テレビ・雑誌・インターネットなどの様々なメディアで語られています。

でも、誰もが知っている通り、ノウハウを知ったからといって、すぐに劇的に変わるなんてことはまずありません。何よりも必要になるのは、継続する力です。でもその力って、自分より他人の力を借りたほうが効率的だよね、という話です。

毎朝、早起きできるか

僕はここ数年、平日は毎朝5時半に起き、6時頃の電車に乗っています。カフェで朝食を食べても、1時間半のゆとりがあります。その時間で本を読んだり、プログラムを書いたり、YouTubeを見たりと好きなことをしていて、今や生活に欠かせない時間になっています。

朝活をしたい人でも、朝早く起きられないという人は多いと思います。僕も朝の時間を活用したいと強く思いつつ、長い間、早起きが全く習慣化できなかったのですが、それができるようになったきっかけの1つは意外にも「引っ越し」でした。

今の家に越してから使う路線は通勤ラッシュの人混みがハンパなく、朝からそのストレスには耐えられませんでした。だから仕方なく、ゆっくり座れる早い時間の電車に乗ったところ、朝活が定着したという感じです。

朝活のために引っ越せる人はなかなかいないとは思いますが、良くも悪くも、僕の早起きの習慣を作ってくれたのは、自分の力ではなく、「通勤ラッシュの不快さ」でした。

自分を追い込んでくれる人

また僕は最近、運動不足解消のために「リングフィットアドベンチャー」というゲームを定期的にプレイしています。このゲームは汗だくになるほど体を動かし、激しい筋肉痛になるほど筋肉を使う、結構しんどいゲームです。

運動の効果は強く感じていて、継続すれば成果が出るのは分かっているのですが、ひとたびプレイをやめてしまうと、翌日またプレイしようという気持ちには、なかなかなれません。

プレイ中には、このゲームの中に登場する「リング」というキャラが、「筋肉が喜んでるよ!」みたいな励ましの言葉をかけ続けてくれるので頑張れるのですが、ゲーム外ではその励ましも届きません。

でも僕は今のところ、このゲームを続けられています。その理由は、定期的に妻から「今日リングフィットやった?」という質問が飛んでくるからです。「今日はやめとこうかな」と返しても、3秒後にはまた「今日リングフィットやった?」と聞いてきます。リングの手下かと。

割と習慣化した今では、自分から「そろそろリングフィットやろうかな」という気持ちが生まれるのですが、習慣化するまでは、「自分を追い込んでくれる力」の効果を強く感じました。

コントロールできない仕組みを

人ではなくても、会社の個人評価項目に入れるなど、自分がコントロールできないものなら仕組みとして使えます。

つまり、早起きでも運動でも勉強でも、何かを習慣化する上では、「自分がコントロールできないものに、自分を追い込んでもらう」のがとても効果的。自分だけで頑張るノウハウもありますが、環境や仕組みで解決した方が確実です。

というかそもそも「自分を追い込もう」という考えが自ら生まれる方が不自然で、生物としては「面倒だから休もう」「疲れたくないからやめよう」の方がしっくりくるので、継続できない前提で考えたほうがいい。

そういえば、世界で2番目に足の早い動物「プロングホーン」は、チーターから逃げるために足が早くなったそうです。生命レベルで追い込まれると、遺伝子レベルで進化もできます。参考にできるものではありませんが。

人を追い込むことで価値になる

ライザップなんかはこの辺りに目をつけてビジネスにしています。でも個人的には環境や専門トレーナーまで付けなくても、「ただ自分を追い込んでくれる存在」だけで十分に需要があると思います。

なぜなら「ノウハウ」は、既に人の手元にあるからです。「朝早く起きれば」「この運動を続ければ」「この参考書を読み込めば」「この練習を毎日すれば」自分が目的に近づけることを、みんな知っています。

だから、例えば毎晩寝る前に「今日は●●した?」とLINEしてくれる人がいるだけで、たぶん全然変わってきます。ボットでは意味がなさそうですが、生身の人間から確認されるのなら、「やらなきゃ」という気持ちになります。

加えて実施内容を確認したり、結果や推移をまとめたりしてくれるだけで、それなりの価値が出そうです。例えば1ヶ月間、「何があっても毎日LINEを送り続けること」と「確認・管理するフォーマット」を決めれば、それだけでビジネスになりそう。

そんなことを、妻から送られてきたシンプルなLINEを見ながら考えてました。

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