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小さな事業所の借入の仕方と返せなくなった時は?
私が受ける事業者からの相談TOP3は
1.補助金相談(設備投資にかかるもの)
2.創業相談(必要な手続きや借入に関するもの)
3.融資相談(運転資金ショート、リスケなど)
です。
補助金の話や創業の話は結構みなさんされますが、融資の話はあまり見ない気がするので今回はお金を借りる時の話をしてみたいと思います。
主に中小企業(※小規模事業者)における融資の話となります。
※小規模事業者とは従業員数20人以下(小売サービス業で従業員5人以下)の事業所をいいます
借入相談の際には業況や事業規模を知ってもらうために最低限、過去2年分の決算書と設備資金の借入であれば内容と金額の妥当性を見るために見積書を持参するようにしてください。
※決算書、確定申告書をつくってないという方がいます。そのような方は当たり前ですが相談のテーブルにすらつくことが出来ません。
●どこの金融機関で借りればいい?
創業時の借入では付き合いのある金融機関がないこともあって日本政策金融公庫の利用が多いかと思いますが、その後の事業資金の借入では民間金融機関(銀行や信用金庫)の利用を検討してみて下さい。
なぜか?日本政策金融公庫は政府系金融機関なので、基本的には民間で対応しにくい融資に対応するというのが基本姿勢だと思ってもらえばいいです。また民業を圧迫をしたくないというのもあります。
なので、ざっくり言うと創業時等の事業リスクが高い段階の借入は公庫、その後経営が安定してきた段階での借入は民間金融機関(銀行・信用金庫)というのが基本となります。
(もちろん民間金融機関でも創業融資を行っていますし、公庫も創業時以外の融資も行っているのでこの通りでないケースも普通にあります。目安程度に思ってください)。
ですので1年以上事業を継続している事業所では、
通常は売上金入金用に開設した口座のある金融機関がメインバンクとなり、そこがあなたの相談相手の金融機関となります。口座を持っていない金融機関に相談することももちろん可能ですが、普通は訝ると思います。
●銀行と信用金庫どっちがいい?
事業用に口座を開設した金融機関が通常はメインバンクとなるといいましたが、では銀行や信用金庫もいろいろあるがどこがいいのか?
・利用者目線での検討
ネットショップを行っている事業者では利用者目線で言うと全国から振込ができる都市銀やネットバンクに口座を開設するのが良いかも知れません。
また、地方の事業所で、お客様のほとんどがその地域のお客様という商売ではその地域で最もメジャーな地銀が一番利用しやすいと思います。
・コンサルティングパートナー目線での検討
近年は金融機関も貸金業務だけせなく、コンサルティングに力を入れており、業務効率化、補助金、M&Aなど様々は経営相談に乗ってますので、今や金融機関は身近な事業パートナーです。
大まかに言うと、都市銀(大企業中心)、地銀(中小企業中心)、信用金庫(小規模事業者中心)と考えていいので自身の事業規模に応じてメインバンクを選ぶといいと思います。ただ地銀、信用金庫といっても地域にいくつもあると思いますが、意外に金融機関で行員の能力、提案力、やる気に違いがあります。
このあたりの事情を知っている人がいるなら聞いてみるのが一番いいのですが、そうでなければ、いろいろ試しに回ってみるといいと思います。金融機機関毎の姿勢や文化の違いを体感できると思います。
●制度融資(保証協会付)とプロパー融資
話が前後しましたが、民間金融機関で借りる時の話の続きに戻ります。
中小企業の場合、(都道府)県制度融資といって、金利が安く、保証人をたてる代わりに信用保証協会の保証をつける融資制度が各都道府県にあると思いますので、基本はこの制度融資ですすめられないかを金融機関に相談します。
制度融資以外にも金融機関独自の融資(プロパー融資)がありますが、業歴・業績・過去の金融取引実績などから条件を判断するため、通常は県制度融資よりもは金利は高くなります。逆に財務状況が万全で、かつ当該金融機関との金融取引実績が十分な優良企業ではプロパー融資の方が金利が低くなることもありますが、いずれにしても初めて借入をする人が検討する融資メニューではありません。
・県制度融資のすすめかた
県制度融資の要項や申請書類はネットでも調べることが出来ますが、この県制度融資の進め方には少し特徴(クセ)があります。要項では「事業者が借入書類作成」→「商工会議所等(認定機関)で確認書の発行を受ける」→「金融機関に書類を持って申込む」→「融資実行」となっていますが、現実的にはこの進め方ではダメです。
金融機関が当該融資を取り上げる前提がないと申請は進まないため、実務的には最初に金融機関に相談し承諾を得る必要があります。
融資内容についての支店決済がとれると話は進み、金融機関主導のもとに、「制度融資の書類作成」→「認定支援機関の認定書取得(これも金融機関が本人の代理で取得)」→「融資実行」となります。
勝手に事業者が書類を作成し、認定機関の認定書をとり、これを盾に制度融資を申し込もうとしてもダメです。まずは初期段階で金融機関に相談し、金融機関主導で融資申請を進めてください。
(※当県のケースです。もしかしたら他県では違う可能性もあるのかも知れません。いろいろコメントいただけると嬉しいです)。
●借入希望額の決め方
事業資金には設備資金と運転資金があります。
[設備資金]
事業を営む上で必要な設備の導入や店舗・工場の取得等の費用です。資金使途が明確なため、当該設備導入の金額内であればそれほど資金使途上、問題ありません。あとは返済能力や事業所の信用力等が問題となります
[運転資金]
よく「借りれるだけ借りたい」とか「いくらまで借りれる?」という方がいますが、そもそもその考え方がダメです。何にいくら必要なのかを根拠立てて積算してください。
例:
・季節商品を一括仕入れしたいので●●万円必要
・買掛金が●●万円がたまっており決済したい。
・大型受注がとれたのが、入金前に支払わないといけない外注費が●●万円必要。
などなど...。
また、資金使途に入らないものとして、他の借入の返済資金や自身の生活費などがありますのでご注意ください。
【余談】
稀に●●万円借りませんか、と金融機関の方から言ってくることがありますが、必要なければ借りる必要はありません。借りる必要があるときに、借りればよいのです。銀行を表す言葉に「晴れた日に傘を貸し、雨の日に取り上げる」というのがあります。業績が良くてキャッシュも十分にある時(借りる必要がない時)には貸したがるが、業績が悪化して運転資金を借りたい時には銀行は貸したがらない、というものです。ただ、近年は金融機関も事業者に対して伴走型支援を行う意識が高いので、今は昔ほどそのような傾向は薄れてきているとは思います。
●業績が悪化し、借りたお金を返せなくなったら?
さて、では保証協会付で借りたお金が返済できなくなったらどうしたらいいか、についてここから解説していきます。
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