多忙「感」とさようならできる人できない人
多忙と多忙感は似て非なるものだと思います。
ここでは、多忙とは仕事の量が多かったり、仕事しなければならない時間が長かったりするなど、物理的に制約されるものだと捉えます。
したがって、個人の努力だけでは忙しさを減らしにくいものです。上司に命じられればそれに応じなければならず、自分自身でコントロールがしにくいものです。
一方で、多忙「感」とは、自分が多忙に感じているということであり、物理的に制約されている状態とは限らないということだと捉えます。
仕事の量や時間など物理的な制約ももちろんあると思いますが、その物理的な忙しさ以上に心理的な忙しさを感じてしまい、右往左往している可能性もあるのです。
今回の記事では、後者の人が多忙「感」とさよならできるちょっとした工夫を紹介します。その工夫を私が新採用の方と一緒に実践していたら、その新採用の方は私とともに週4くらいで定時退勤をしていました。効果があると思いますのでぜひ読んでください。
今日の要点
・見通しをもって、多忙「感」とさようなら
・どんどん捨てて、多忙「感」とさようなら
・仕事をテンプレ化して多忙「感」とさようなら
見通しをもって、多忙「感」とさようなら
見通しをもたずに仕事に取り組むということは、地図をもたず旅に出て、自分に押し寄せてくるものにその場、その場で何とか対応することを強いられることです。「自分はそれでいい。」という人はそれでいいのかもしれませんが、一度やるべきことを整理すると、現在地からゴールまでの道のりを明確に把握することができます。
それによって、多忙「感」から逃れることが十分に可能です。
自分が今追い込まれているのは、多忙によるものなのか、多忙感によるものなのかがはっきりします。ぜひ見通しをもつ時間を確保してみてください。
そのための一つとして「TO DOリスト」の作成をおすすめします。
スマホ、校務支援システム、など何でもよいですが、私はPCのデスクトップに付箋を表示させてそこに、何日に何をやるかを表示させています。
ちなみに、私が新採用の方と組んだときには、「1か月ごと」に見通しを立てていました。「今月中に○○さえ終わっていればいいよね?」という感じで確認しながら、PCのTO DOリストに書き込んでいました。
どんどん捨てて、多忙「感」とさようなら
机の上や自分の棚が雑多になっていると、多忙「感」が増す要因となります。
ある記事では、人が書類を探すことにとられる時間は年間80時間、書類に限らなければ年間150時間が物探しの時間にとられているそうです。
つまり、いつまでも物を捨てずに整理できていないと、本来ならば仕事に充てられる時間を物探しに費やすことになり、いつまでもたっても多忙「感」から逃れることができないということです。
また、どんどん捨てれば、効率的な作業スペースを確保することができ、仕事が進みやすくなります。
さらに刺激の少ないストレスレスな環境を作ることにもつながるので、どんどん捨てて整理整頓すれば、心理的にもすっきりした状態で過ごすことができるのです。
仕事をテンプレ化して多忙「感」とさようなら
時間をかけても仕方がない、毎週、毎月、毎年出さなくてはいけないおたより、文書、ワークシートなどはテンプレを用意します。どこの学校にも○○実施計画の項目、依頼文書、お礼状などはテンプレがありますよね?その幅をどんどん広げていくのです。
私は学級通信でテンプレを用意していました。「今日の1枚」「担任コラム」「来週の予定」というコーナーをレイアウトも含めて完全に決めていました。すると、あとはテンプレに沿って記事のネタ探しをすればよいだけなので、焦ることなく過ごすことができていました。
仕事をテンプレ化することのよさは、何といっても余計なことに時間をかけずに、生産的な仕事に時間をかけることができるという点です。
方程式の定数と変数に例えると、工夫の余地のないもの、すなわち定数はテンプレで対応して時短で済ませる、生産的な仕事すなわち変数には時間を掛けて取り組むわけです。
そうすれば、専門性を高めることもできるし、やらされ感も少なく済むでしょう。
また、テンプレ化のよさはそれにとどまりません。人事異動があって新しい業務を担当することになってもテンプレがあれば対応することができるのです。「その人にしかできない」仕事は学校という組織ではあるべきではないと考えています。「誰にでもできる」仕事に返還していく努力が必要です。そのためにテンプレ化が有効なのです。
いかがだったでしょうか?
少しの工夫で多忙「感」をもたずに、仕事に取り組むことが可能になることが伝わったでしょうか?自分でも書いていて気づいたのですが、これは教員だけではなく、あらゆる仕事に当てはまり、もしかしたら、家事や勉強などにも当てはまることなのかもしれません。少しでも参考になっていれば幸いです。
それでは、今回も私の大好きな寅さんのせりふでさようならです。
「夢なんて見てないでぐっすり眠りましょう!」
今日のまとめ
・見通しをもって、多忙「感」とさようなら
・どんどん捨てて、多忙「感」とさようなら
・仕事をテンプレ化して多忙「感」とさようなら