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失敗の沼にはまるのはなぜか 〜最上志向と完璧主義の罠〜
自分の行動を俯瞰してみたらわかるように、人の行動にはその人特有のパターンがあるものですが、同じ失敗の沼にはまるというのは、同じ回避行動をとっているということが考えられます。
回避行動とは、自分に嫌なことが起こる前に予測して行動し、嫌なことに遭遇しないようにすることです。例えば、痛い、苦しい、怖い、悲しい、疲れる、悪い評価、であったりが嫌なことと言え、さまざまな要因があります。
これはなんとなく肌感覚でわかるのではないでしょうか。
ここで今回取り上げたいのは、自分の強み・ストレングスと言われるものが、自分の回避行動につながっているケースです。
例えば、最上志向や完璧主義のような人だとしたらどうでしょうか。
最上志向や完璧主義の人のいいところは、例えば仕事の場合、仕事に対して妥協することなく、自分が満足するものになるまで徹底的にやり込むというところです。これ自体は、素晴らしいことだと思います。
ですが、その反面どうでしょうか、考えてみましょう。
自分が満足するものになるまでは仕事を提出しない、公開しない、渡さないなどがあります。それが原因で滞ってしまったり、迷惑をかけてしまうことがよくある事象です。これもひとつの回避行動です。
他者に対しても、自分と同じような出来を求めてしまい攻撃的になる傾向があるので、その面でも注意が必要なことがあります。
また、他者からの評価をすごく気にするというケースもあります。
この製作物に対して、ネガティブフィードバックを受けたらどうしよう。評価が下がったらどうしよう、期待を越えられなかったらどうしよう、認めてもらえなかったらどうしよう。
などといった不安を喚起するようなことが脳内を巡り、行動を抑制してしまう、そうするうちに、できることしかやらなくなるという回避行動を取る様になります。
これが厄介なのは、できることをやるので認めてもらえるから、これでよかったんだと認識して、回避行動を強化するという点です。
そうやってどんどん上塗りしていくことで、自分の生存を保とうとします。ですが、どこかで自分の本音に向き合うことになります。そこが沼です。