BARWON、あなたはいったい何者?!
ここに、”BARWON”という一つのSykes艇がある。
近年では、東日本新人に出場したり、練習で使われたりしている。
艇の傷を覆う銀テープが数か所に貼られているなど、使い込まれていることがよくわかる。そのため、見た目は随分と年季が入っており年を帯びている様相だ。
あまり頻繁に使われていないためか、
バーヲン? バーボン? ダーウィン?(?!)
様々な名前で呼ばれてしまっている。
一体BARWONとは何者なのか、名前の由来を自分なりに調べてみた。
「barwon」の検索結果
まず、「barwon」で検索ボタンをカチッと押してみた。
どうやらオーストラリアの地名であるようだ。とりわけ、Barwon riverという川があることが分かった。加えて、ニューサウスウェールズ州とビクトリア州の、2つもBarwon riverがあることが発覚した。
Sykesというオーストラリアの会社が造った艇なので、オーストラリアの川の名前なら納得がいく。
しかし、ここで驚きの事実が発覚した。
「ん!? バーロン川?!」
日本語表記になると、「バーロン川」となるようだ。
なぜこうなるのか。
BARWONという言葉そのものに注目して調べてみることにした。
BARWON語源と意味
Wikipediaによると,
”The name "barwon" is derived from the Australian Aboriginal words of barwum or bawon, meaning great, wide, awful river of muddy water; …"
Barwonはオーストラリアのアボリジナル語の[barwum]か[bawon]から派生した言葉で、意味は「泥水の大きく、広く、酷い川」だそうだ。
アボリジナル語が元の言葉であるため、発音が曖昧で聞き取りづらく、日本語表記ではバーロン川と表記されてしまうのかもしれない。
BARWONに込められた思いを考察
BARWON=「泥水の大きく、広く、酷い川」
酷い名前のように思える。
「泥水」「酷い」という、この2つの言葉がどうしても気になってしまう。
いかにもマイナスなイメージしか持てないような単語だ。
しかし、シングルスカル一艇10万円ほどかかる艇に「BARWON」と名付けたのには絶対に意味があるはずだ。
私の考察はこれだ。
「泥水の大きく、広く、酷い川」でも果敢に進んでほしい、そういう思いが込められているのだと考える。
早稲田大学漕艇部は戸田公園のボートコースだけでなく、荒川でも練習を行う。荒川は決してきれいとは言えない水質で、干潮時は岸付近が泥沼となって地表が現れる。
また、最近話題のプラスチックごみ問題も見受けられる。荒川で漕いでいるとペットボトルのごみが浮いていて、練習中に何回かオールに当たってしまうこともある。
このような環境でも「へこたれず進んでいけ」、そんなメッセージが込められているような気がする。
最後に
早稲田大学漕艇部には立派な艇を保管する倉庫、艇庫があり、そこには様々な艇がある。それぞれに名前がついており、それぞれに思いが込められている。意味も分からず、ただ”呼ぶ手段”の一つとして名前を使うのはもったいないと思った。
支援してくださるOGOBの方々の思いも胸に、部員一同、艇を大事に扱っていきます。
「命より大事な物、それは艇だ。」
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