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自分の中に3割の別人をもつ

皆さまこんにちは。よーそろの井上明です。

世界中の感染拡大や日本での感染者の増加のニュースばかりで疲労もたまりますね。。商売をしている手前、お客さんと接する商売であるが故、常に新しい情報を得なければならずそのような気持ちの揺さぶりに「ニュートラルに、ニュートラルに」と言い聞かせる毎日です。

「自分の中に3割の別人をもつ」これは大学時代のバイト先で私の師匠に常に言い聞かされていた言葉。マルチタスクをこなすとき、物事をクリエイティブな思考で乗り越えなければいけないとき、車を運転するときでさえも常に意識しなければいけないこと。

どのような変化にも対応できるように

要は集中しすぎないこと。自分の立ち位置を見失わず本来の目的を達成するために常にニュートラルで居るということです。

私の大学時代のバイト先ではそのオーナーである焼き鳥屋のマスターと二人きりでした。接客アルバイトの私はお客さんがその時間を気持ちよく過ごし喜んでもらうため、近くでその空気を察知し応対することが一番の仕事でした。お客さんが何を欲しているのか、それとなく見ながら、調理場のメニューの出来上がりとその準備とのタイミングを計りネギを切ったり、レモンを切ったり下準備も。それらをこなしながら他のお客さんの状況と追加オーダーを聞き、飲み物をつくったりと。一つのことに集中しすぎるとお客さんの「何よりも”今”してほしい」ニーズを見過ごしてしまいます。

だから、常に「ほんとうにそれでいいのか」と問いかけるもう一人の幽体離脱した自分を3割ほど持ち、7割の力で集中し仕事しろと言い聞かせられたものです。常にもう一人の自分と会話しろと。

運転でもそう。真っ直ぐ前を見ること7割、あとの3割でバックミラーやサイドミラーをちらちら見ながら安全にかつ円滑に運転することが大切です。

今まで事業をつくってきた中でも様々な課題にぶつかりました。それはもう常にといっていいでしょう。10割で突っ切ってしまうと「あ、こうすればよかった」と本来大切にすべきことを見失い本質とずれた位置に着地してしまいます。そういうときも何度かありましたが(笑)、そのときはやり直します。。(汗)

古民家リノベーションの想定外を乗り越える

古民家リノベーションは想定外がつきもの。

急すぎる階段を傾斜が緩やかなものにやり替えると理論上では収まるところも、実際試すと足を出して頭をかがめる2つの作業を同時にこなさなければならずとても窮屈でどうしようかと立ち止まりました。

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「やり直す?」「いや、待てよ」「こうやったらどうだ?」と2人以上の人間が頭の中で会話をします。

階段を上る一歩目と頭をかがめる動作の時間をずらすには、入り口を変えれば?床を掘って階段を延ばしては?梁を削っては?手すりを付けて一度立ち止まればどうか?

「それはないな」という完全にあり得ないバカげた選択肢も所々に挟みながら自分のもう一人と会話し色々な方向から考えてみます。

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結局江戸時代の硬い木材の梁を腕っぷしのよい御手洗の農家さんにお願いしチェーンソーで切り込みを入れてノミでアーチ状に削ることに。

「このやり方で本当にいいんだろうか」

メニューづくりもそう。

1号店の船宿カフェ若長はとても狭い空間をカフェにしており、GWなどは1日に200人を超えるお客さんを受け入れ様々なメニューをこなすため、常にこの作り方がベストなんだろうか、こうしたらもっと厨房の中の動きがよりスムーズになるかなど頭の中で「ちょっと待てよ」「こうはどうだ?」とやりとりします。私だけでなく中のスタッフも動きに対して、メニュー作りに対して常に「こうしたらいいかも」と提案と実践を繰り返してくれるためスムーズなメニューづくりの発見や、ひいてはオーダーから出来上がるまでのスピードアップ、200名を超えるお客さんの注文にも応えることができています。

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若長の名物”檸檬ぜんざい”もシンプルな素材の組合せで、変わっていないようで実は何度も作り方、素材選定、組合せなど変えていっています。

常に現状をより良くしようと「これでいいのだろうか」と今を疑い、情報を取り実践と検証を繰り返してきました。

求める情報を集めようとする偏り

今のテレビニュースも気が滅入るような暗いニュースばかりですが、本当にそうなの?どの部分がそうなの?一方的に煽られる不安をすべて鵜呑みにせず、また思考停止しないことが次への道を見つけることにつながると思います。

人は得てして、思い込み、自分に思いに沿った都合のよい情報ばかりを集めてしまいます。不安が大きくなればより不安を助長する情報を集めてしまう。楽観的であれば楽観的な情報ばかりを。私も自分を常に俯瞰して見つつ気を付けているのですが。

もう数年前になりますが、ある組織の変革をしなくてはと動いていた私のことを煙たがる人とこれからの町の方向性や団体の在り方を話したいとのことで家に呼ばれ、面と向かって話をしたことがあります。どうにかして会話の中で粗を探そうという気が伝わってくるその人に正直に私の思いを伝えました。

「私は町の為ではなく、私のためにやっている」

その瞬間「いよいよ化けの皮をはがしたか」と言わんばかりに前に身を乗り出し、目を見開いた姿を今も覚えています。

そう、その人が一番ほしい情報がそれだったのでしょう。

そのあとに「自分がどういう未来を迎えたいか、こういう町で仲間と共に何を残すか、自分のエゴがはいっているかもしれませんがそれらを実現したいために動いているし、これからも自分のために動きますよ」と話ました。

な~んだとばかりにその人はソファーに腰を下ろし直しました。

と以前そのような組織を変えねばと動き、「痛い目にあわすぞ」と脅されたり「お前のところのお客がどうだこうだ」とありもしない因縁をつけられたこともありましたが、最近はもっぱらそのようなことを受けるエネルギーももったいないので、競わず戦わず、価値観が合わねば”離れる”に徹しています(笑) 人は変わらず。自分が変わればよろしいので。

というように、自分の都合の良い、暗に求める情報を集めようとしています。世界的流行にある新型コロナウイルスは確かに脅威です。なぜ怖い?どの部分が恐ろしい?感染したらどのようになる?

日本はこうだから感染しない。こうだから大丈夫だ…
マイナスばかりの情報集めもプラスばかりの情報集めも偏ると本質を見誤ります。刻々と変化する情報の中で、「いや待てよ」ともう一人の自分を幽体離脱させ、もしかしたらこうではないか?このケースだったらどうなの?と様々な想像と思考を繰り返しながら色々な角度で情報を集めることが重要です。

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今こそ考えるべきこと、今こそやるべきこと

今覚悟すべきことはすぐすぐに事は収まらないこと。
長期的なスパンで物事をとらえ、決断し、社会の一員として冷静に行動することが求められています。

正直不安多いです。宿は軒並みキャンセルになり、経営的にもとても厳しい現状ですが、ふさぎ込んでいる時間はありません。これを機に世の中も変わろうとしています。それらの変化にどう対応し、何を提案していくのか、多くの課題や問題に直面し乗り越えてきた私たちローカルベンチャーの力が今問われています。

たとえ、御手洗に来れなくても受け取れるものを。またそれでもなお行きたくなるようなものをつくらねばどちらにせよこれからは無くなっていきます。

やってみよ。考えてみよ。

今試されている宿題をこれから高く飛ぶための踏み台にできるかどうか、自分たちの方向性や立ち位置をもう一度見直し、この変化に進んで挑戦していきたいと思っています。

この現状を乗り越えたとき更なるパワーアップしている自分を信じて。

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