2024年マイ・ベストアルバム【10-1位】
10. Mk gee / Two Star & The Dream
全くノーマークだったこのアーティストですが、不思議な音世界が構築されレたアルバムでとても良いです。これが本格デビュー盤のようですね。
似た音として筆者がすぐに思いつくのはBon Iverあたりなのですが、他にどんな音楽を聴いたらこの世界にたどり着くのか興味津々ですね。
9. MJ Lenderman / Manning Fireworks
一般的にカントリーぽい音は苦手なのでアルバムのオープニングには戸惑いましたが、聴き進んでいくうちにニール・ヤングぽかったりもするギターロックということが分かります。
アルバム全体がとてもよく構築されていて、何度もリピートしてしまう中毒性がありますね。
8. Nick Cave & The Bad Seeds / Wild God
二人の息子さんの死をきっかけに作風が悲壮で重苦しく変わってしまったニック・ケイブですが、今作はオープニングから少し光が差したように感じられます。
もう日本のロックメディアにインタビューが乗ることはないのでUNCUTという輸入雑誌を購入して読んだのですが、やはり、いつまでも悲しみに沈んでばかりもいられず、今回はバッド・シーズを招聘してコラボを進めたとのこと。
でも結果は、宗教の教祖様みたい・・笑
宗教ぽさは昔から感じるところがあったので、どの道このような結果につながったのかもしれませんね。
ライブではステージ前で泣いてる観客に手を差し伸べてまわるらしく、やっぱり宗教以外の何者でもないですね、これは。
一生に一度のライブを観ないと死ぬに死ねないのは言うまでもありません。
7. Mount Eerie / Night Palace
マウント・アーリー、7年ぶり新作は1時間20分の大作で、日本の雅楽にポエトリー・リーディングが乗る曲もあったりして、とても野心的な作りのアルバムになっています。
こういう意味のある長尺作品は好きなので一位にするか悩みましたが、今年は他にも良い作品が多すぎてこのランキングに落ち着きました。
もう20年のキャリアがあるようですが、フェスで見たい要注目アーティストです。
6. Arooj Aftab / Night Reign
ミュージック・マガジン誌の年間ベスト号を立ち読みして知ったアルーフ・アフタブは、パキスタン出身のニューヨーク在住アーティストだそう。
このアルバムには流麗な中東ジャズの世界が広がっており、いっぺんにハマってしまいました。
Night Reign(夜の世界)という背徳的な世界観も自分好みです。
5. Beth Gibbons / Lives Outgrown
ポーティスヘッドのボーカル、ベス・ギボンズの本格ソロデビューアルバムですが、制作に10年以上が費やされたということで、その甲斐がある音楽的な内容に大満足でした。
ポーティスヘッドの世界観はそのままに、生楽器のダイナミクスをバックに老いに対する恐れや諦念が歌われる傑作です。
フジロックでのパフォーマンスも鬼気迫るものがあり、筆者の個人的なベストアクトとなりました。
4. The Smile / Wall of Eyes, Cutouts
トム・ヨークとジョニー・グリーンウッドのプロジェクトのThe Smileですが、今年出た2枚合わせてこのランキングです。
Radioheadの新作と捉えても全く遜色のない内容で、2枚目の Cutoutも、Wall of Eyesの単なるアウトテイクでは無いような充実ぶりです。
この2枚は、筆者にはロックがまだ前進できることを証明するような画期的な内容に思えるのですが、残念ながら世間の評価はそこまでではないようで、あまりにも過小評価と思います。(AOTYで39位)
昨年はこの2枚をたずさえてフェス出演してくれるのかと思いきやなぜかトム・ヨークの単独公演でした。
せっかくなのでRadiohead楽曲は封印したThe Smileとしての世界観を展開するライブを早くみてみたいものですね。
3. Father John Misty / Mahashmahana
年の瀬に出たこのアルバム、全く期待してなかったのですが、一曲目から「なんじゃこりゃあ!」という感じであまりの至福感にびっくり。
一曲目以降も勢いが衰えることなく、最後まで至福感が持続します。
よって急遽、年間ベスト・ランクインがが大決定、4位のトム・ヨークのプログレッシブなロックよりも良かったという判断になりました。
これ、元ネタはジョン・レノンじゃないかと疑っています。
2. Geordie Greep / The New Sound
ジョーディ・グリープは2019年にデビューアルバムを出したblack midiのボーカル。
black midi自体が画期的なバンドで、2020年代のロックを牽引する存在になるのではないかと期待していたのですが、残念ながら解散、または活動休止とのこと。
このソロ・アルバム、ジャケが強烈で、丸尾末広さんかと思っていたのですが、佐伯俊男さんという方のイラストとのこと。調べてみると丸尾さんが佐伯さんに影響を受けていたようです。
ストリーミングで一曲目を聴いて、その狂った世界観に驚愕、急いでCDを購入しました。
アルバム全体は本当になんでもありというか、50年代のフランク・シナトラばりのトラックからblack midi直結のトラックになったり、やりたい放題でメチャクチャです。笑
この新しさは年間ベストに相応しいと思い一位にしたかったのですが、代わりに一位にした作品の質の高さには残念ながら及びませんでした。
AOTYのランキングを見るとランク圏外で、大手メディアからはガン無視。かなりの過小評価だと思いますね。
1. The Cure / Songs of a Lost World
堂々一位はThe Cure16年ぶりの新作です。
かなり前評判が良く、先行リリースされた一曲目のAloneを聴いて否が応でも期待が高まったのですが、その期待以上の内容に大満足でした。
ちょい聞きしただけでは印象に残らなかったりするのですが、そういうアルバムこそ名盤、という典型的な例な気がします。
また、このバンドの最高傑作はDisintegration(1989)と言われることも多いのですが、比べてしまうとDisintegration収録で、全米ビルボードの2位になるまでヒットしたLove Songのようなキャッチーな曲は含まれていないのですよね。
ただ、何度も聞きたくなる中毒性、そして、何度も聞いているうちに聞こえてくる音、ボーカルとは別の旋律を歌いまっくってるギター、何をとっても年間ベストに相応しいアルバムになっています。
AOTYの総合チャートでは堂々3位なのですが、玄人向けのMOJOとかUNCUTではなぜか低評価なんですよね・・耳腐ってんのかしら笑
雑誌のインタビューによると、このアルバムに続く2枚目も今年のリリースが準備されていたりするようで、まだまだ活躍してくれそうな勢いです。
このアルバムの曲をライブで聴きたいので、すでにリリースされているライブ音源は聴かないことにしています。