スリランカの母の味
学生のころ
スリランカに2週間ホームステイしたことがある。
インドの下にある島国。
北部ではまだ内戦があった時期だった。
舗装されていないガタガタ道を
ワイルドな運転のワゴンで走りながら
土埃と熱風が顔に吹き付けてきて
絵に描いたようなウルルン滞在記。
正直いまの歳だったら
体も心もついていけなかったな。
家の外には野良牛が歩いていたし
虫がブンブンの市場で食事をしたり
ホテルのベッドがしっとりしてたり
ジャングルの中で一泊したり。
食事は基本的に3食カレーを手で食べた。
ピラフのようなビリヤニも含めて
総称してカレーという感じ。
タコスみたいなナンもあった。
お店のグレードによっても
雰囲気が違って面白かった。
アメリカのハンバーガーにはすぐ飽きたのに
スリランカのカレーは毎日美味しかった。
辛いからお水もがぶがぶ飲んだけど
ミネラルウォーターでなくともお腹も無事で
我ながらたくましかったと思う。
辛さで耳が「キーン」となりながら
毎日カレーを食べた。
ホームステイ先のお母さんの料理もおいしかった。
基本的にはおうちでも全てカレー。
「今日はハンバーグよ」
「今日は餃子よ」のノリで、
「今日はオクラよ」
「今日はナスよ」とカレーの具が変わる。
辛さは抑えて作ってくれたけど
やっぱり辛くて
ちょっとぬるめの水道水を
がぶがぶ飲みながら食べた。
今だったら作り方を教わりたいし
スパイスだって買って帰りたい。
写真だって山ほど撮るだろう。
今日のお昼ごはんはドライカレー。
お母さんのナスカレーを思い出しながら
薄めにナスを切ってみた。