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【百年ニュース】1921(大正10)9月25日(日) チャールズ・チャップリンの映画『ゴルフ狂時代(THE IDLE CLASS)』公開。日本公開当時の邦題は『のらくら』。32分の無声映画。チャップリンが放浪者と裕福な男の二役を演じる。疎かにされる妻はエドナ・パーヴァイアンス。実生活でも二人は破綻しつつあった。

チャールズ・チャップリンの映画『ゴルフ狂時代』が米国で公開されました。英語の原題は『THE IDLE CLASS』、直訳しますと「怠惰な階級」とうことになります。日本では同じ年の年末公開されたのですが、当時の邦題は『のらくら』と言いました。32分の無声映画で、チャップリンがいつもながらの放浪者と、もうひとり、裕福な男性の二役を演じました。また疎まれている男性の妻を演じていたのは、これもチャップリンの映画ではお馴染みのエドナ・パーヴァイアンス(Edna Purviance)になります。

このエドナ・パーヴァイアンス、あるいはパーヴィアンスとも呼ばれますが、この二人は実生活でもチャップリンのパートナーであったことが知られています。エドナは米国ネバダ州パラダイス・ヴァレー(Paradise Valley)で、1895年10月21日に生まれました。一家はホテルを経営していましたが、1902年、エドナが7歳の時に両親が離婚。エドナはのちサンフランシスコの商業学校を卒業し、そこで秘書の仕事をしていましたが、1915年、エドナが19歳のとき、チャップリンがたまたまサンフランシスコ近郊のフリーモント市で映画を撮影しており、ヒロインの女優を探していたところ、スタッフのひとりがサンフランシスコ市内のTate's Caféというコーヒーショップでエドナに気付き、チャップリンとの面接を手配しました。チャップリンはエドナの第一印象を「可愛いなどという程度ではなく、まったく美しかった」と回想しています。

チャップリンは1889年生まれですので、この出会いのときまだわずか26歳でしたが、喜劇俳優としてすでに頭角を現していました。そしてエドナは19歳。二人は恋愛関係となり、8年間に30本以上の映画で共演することとなります。そのなかには、ちょうど100年前の1921(大正10) 年公開の名作『キッド』も含まれます。 そして本日公開の『ゴルフ狂時代』も代表作のひとつとなります。しかしこの映画でのエドナの役柄が、夫に疎まれる妻というものであったことが、もしかしたら現実の二人の関係を象徴していたのかも知れませんが、ちょうどこの頃二人は実生活でも破綻しつつありました。

エドナは1927年に女優を引退し、1938年にはパンアメリカン航空のパイロットであるジョン・スクワイアと結婚しました。二人は幸せな結婚生活を送りましたが、1945年に夫のジョンが亡くなり、1958年、エドナも喉頭がんで亡くなりました。享年は62歳でした。

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チャールズ・チャップリン

エドナ・パーヴァイアンス

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吉塚康一 Koichi Yoshizuka
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