【百年ニュース】1920(大正9)6月10日(木)「時の記念日」が制定される。制定主体は東京天文台と文部省外郭団体の財団法人生活改善同盟会。今でこそ時間厳守が日本人の国民性と賛美されるが、当時は日本人の時間観念は貧弱・未発達で文明後進性の現れとされた。正午に時計を合わせることを奨励。
正確な時刻の啓蒙のため、天文台の河合技師が歌舞伎役者の六代目坂東彦三郎の自動車に乗り東京市内を巡回し、著名地点の時計の誤差を調べた。不正確な表示が多く、有楽町駅が1分進、新橋駅が30秒遅、万世橋駅が30秒遅、中央郵便局が30秒進、浅草郵便局が2分30秒遅など。三越前高木時計店は4分遅れ。
街頭啓蒙活動に参加した六代目坂東彦三郎(1886-1938)は、かつて駅の時計が2~3分間違っていたために横浜駅で夜を明かした苦い経験があり、活動に参加したとのこと。時計はじめ機械ものを扱うことを生涯の趣味とした。
六代目坂東彦三郎は1938(昭和13)年12月28日に52歳で逝去。同日三井物産創業者益田孝が逝去している。
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