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「滅びの前のシャングリラ」凪良ゆう 著 中公文庫

面白かった。

結論はわかっています。1ヶ月後に小惑星が地球に衝突して地球滅亡です。

そこで何が起こるのか?そして、なぜ、それが「滅びの前のシャングリラ」になるのか?考えさせられる小説です。

地球が滅ぶとなれば、世界中無法地帯になるでしょう。

この小説も強烈にバイオレントです。でも、そこから愛が生まれ、ごく局所的なのかもしれませんが、滅びるまでの束の間のシャングリラ(=ユートピア)が生まれるのです。


読んでいて、最後の部分で

If I don't get some shelter ooh yeah, I'm gonna fade away.

シェルターが見つからなかったら、俺は消えてしまう。

War, children, it's just a shot away It's just a shot away War, children, it's just a shot away It's just a shot away, yeah.

子供達よ、戦争だ。それはすぐそこにある。

Rape, murder, it's just a shot away It's just a shot away.

レイプ、殺人。それはすぐそこにある。
(訳 向後善之)

というローリングストーンズの大ヒット曲「ギミーシェルター」が、頭の中で流れ続けました。


もし、本当に小惑星が衝突するとなったら、この小説とは別なシナリオもあり得るでしょう。
各国政府は、なんとか「大丈夫各国が協力して強力核爆弾で破壊します」と国民を安心させようとし、自分たちないしはお仲間の企業家たちは、ヒマラヤやアルプスなどの高地に逃れようとするという小音もあるかもしれません。少し遅れて一般大衆が気付き、彼らは自分の足で高地を目指すではずです。運が良ければ、津波の被害は避けることができるかもしれないと期待して・・・。でもほとんどの人が、亡くなるでしょう、そしてその後、急激に気温が下がるので、そこで生き残るのは大変な困難を伴うということになるのではないかと思います。そのシナリオでは、シャングリラは起こり得るのでしょうか?




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