美容師...総フリーランス時代。
こんにちは、FUKASEです。
私は2022.3月で会社を辞めて独立しました。
13年表参道で美容師をやってきましたが独立先は銀座のシェアサロンです。
シェアサロンというのはシェアオフィスのような感じで、多くのフリーランスの美容師さんが一つの美容室をシェアして使うスタイルのサロンです。
これまでの独立の形
私は1989年生まれの33歳の世代です、ちょうど私達より上の世代になると新卒で入った会社で”石の上にも三年”というような状態で、何とか”アシスタント”を乗り越え”スタイリスト”になる。
売り上げを少しづつ伸ばし”トップスタイリスト”になり”店長”になり自分のサロンを作り独立…というのが一番の花形でした。
なぜこの形が過去形になりつつあるのだろうか?
『コスパが悪い』この言葉に集約できる。
なぜか?一つにはやはりSNSの存在ではないかと思います。
SNSがこの10年で圧倒的に成長し有益な情報が多くの方が無料で手にすることが出来るようになりました。
今までは表参道や原宿の有名店の実力者が後輩達やお金を払った勉強熱心な人達だけにテクニックを公開していたのですが、今はSNS上で誰でもみれる形で公開されています。
ですからおそらく、都心の表参道原宿エリアに限らず上手な美容師さんが増えているのではないか?と思うのです。
技術情報や人の流動性が高くなった今、美容室の経営が非常に厳しくなってきています。
どういう現象かもう少し詳しく書くと、情報が拡散されて技術レベルが全体的に上がることで他店舗との差別化がしにくくなりました。
そして技術レベルが高くSNS上で影響力の高い人材は固定の場所(美容室)に固執せずとも集客ができるようになっています。
そして情報の流動性という意味でも会社の給料面の良し悪しも昔よりも公になってきて、良い人材は良い環境に移りやすい状態なのです。
私が美容師になりたての頃は、どこの美容室がどれくらいの給料だとか、あまりお金の事を口にするのは良くないというような良くも悪くも職人気質の雰囲気がありました。
移り変わった現状、これは本来あるべき姿で優秀な人材がより良い環境を求めて移動していく、組織は良い人材が残りたいと思うように企業努力をする、当たり前のことですね。
都心と地方ではかなり状況が違ってくると思いますが、特に都心では家賃と他店舗との競争率が異常に高いので経営者の労働に対する対価が非常に低いように思うという意味でコスパが悪いと思うのです。
もちろん一部のすごい力を持っている方や、多店舗展開して成立するようなビジネスをやりたい方は少し違うかもしれません。
シェアサロンの実際
そこで、ここ数年で頭角を現してきたのがシェアサロンという形態です。
ぱっと見『そんなうまい話あるのか?』と思うくらい美容師に寄り添う形の契約内容になっている事が多いです。
高い歩合率
まずこれまでの美容室の給料を考えると明らかに好条件で働ける事が多いです。
完全に給料制のところや基本給+歩合など色々な形があるかとは思いますが、大体自分が稼いだ売り上げに対して歩合が20~30%位が相場だったのに対して50~70%位の還元率が相場になってきています。
ここでいう還元率は諸経費を差し引いた状態です、契約プランは色々ありますが、売り上げに対する歩合率だけなら90~100%バックのシェアサロン様もあります。
良い立地/新しい施設
多くの人が利用しさすく集まれる形態なので駅近、広くてキレイなテナントに入っている事も多く、どう考えても個人では不可能な立地条件で働くことが可能です。
私が契約している店舗も銀座駅徒歩5分で銀座sixのすぐ裏の竣工して一年程度のビルに入っています。
恐らく家賃は2~300万以上はすると思います。
正直、こんなキレイで便利なシェアサロンが全国にあれば自分で美容室作る気は失せますよね。
プランによっては内装も変える事ができるので、どうしても一軒家古民家風サロンにしたい!のような願望がなければ十分世界観は出せます。
因みに私の部屋の内装↓
もしも自分がこれから美容師を目指す立場なら
バイトしながら通信制の専門学校で勉強しオンラインサロンで勉強する。
先述したように、今の時代は安価な値段で優良な知識や技術を手に入れられるので何も1から専門学校や美容室で勉強する必要は無いと思うからです。
もはや、美容室、美容専門学校の存在が問われる時代となります。
美容専門学校はまだ国家試験を受けるための資格をとる場所なので守られていますが、これからの経営は難しくなってくるのではないかと思っています。
もっと実践的な職業訓練校に変化していく必要があるのは間違いないだろうか?SNSの運用やマーケティングスキルの授業もあれば生徒が殺到しそうですね。
もしも自分が美容室オーナーだったら
この時代の変わり目に美容室を経営していたらどうしただろうか?と少し思考を巡らせてみる。
まず不要な人件費は削る。
不要なレセプションやアシスタントの採用はしないだろう。
全体的に省エネで大きな利益が出る仕組みにしたい。
スタイリストはアシスタントを使わなくても売り上げが立てれるように単価、スピードをUPしその分歩合率を高くする。
なぜなら固定費が高いと不況や閑散期の利益率が下がるし、教育コストも馬鹿にならないからだ。
そして一定のキャリアと売り上げのある人材はフリーランスになって貰い自由に働く。
もちろん個人の特性によっては幹部候補生も必要だ。
フリーランスになってもらうサロンとしてのメリットを下記に述べる
○席が空きやすいので、次の世代が成長しやすい
○独立して高歩合にする事で継続的に自社の売り上げに貢献してくれやすい
○組織に属さなくなると新たな学びを外部に求める傾向があるので社内に良い影響がある
○厚生年金などの社会保険料の負担が少なくなる
ここで問題なのが、その人物をフリーランスになるよう説得できるのか?
という点と、スタイリストの予約枠を減らすに当たっての説明、歩合率UPのタイミングだ、人が働いている以上人に納得してもらうのに苦労はすると思う。
以上が若手が育っていない、サロンの高齢化、スター選手がいないサロンが生き抜くための方法論の一つでは無いかと自分なりに思いました。
違う視点の意見や質問があれば是非ともコメントお待ちしています。
美容専門学校の存在価値
先程も少し触れましたが、これからの美容専門学校の在り方はもう少し代わっていくのでは無いかと思います。
過去に”美容師の価値を高める”と志を持ち変革を起こして下さった先輩方の思いを昇華させ、より高度な国家試験にすることは出来ないだろうか?
私たちの時ですらすでにそうであったように、国家試験内容と美容師としての職業人としてのスキルが少しかけ離れてきているように思うからです。
国家試験というものはどこのジャンルもそんなものなのだろうか?
志やスキルの高い美容師がちゃんと美容師になり、相応の対価を支払ってもらえる仕組みはないだろうか?
”やすい国日本”というのは美容師においてもそうではないだろうか?
職人やアーティストが適正な評価を得て生きていけるような国になってほしいと心から思います。
閉鎖的な国で生まれ育ち言語と海が隔てているからという事だけでなく、仕組み的な原因もここにはないだろうか?
もし専門的な意見を教えていただけるなら是非とも聞かせていただきたいです。
美容師総フリーランス時代
これまで述べてきた事は思うことの節々でしかありませんが、総じて皆フリーランスになれば良いのではないか?と思うのです。
『新卒でいきなりフリーランスなんてあり得ない』との意見も聞こえてきそうですが、やり方を変えれば不可能では無いしその時代はもう近いのでは無いか?と思うのです。
今までやっていた会社の先輩たちがやっていたボランティアでの教育を専門学校やシェアサロンがビジネスとしてやれば良いからです。
シェアサロンとしてもある一定のラインを超えてくると、結局人材育成という壁に当たると思うからです。
今は行動力と実力がある程度ともなっている人たちが集まってきていますが、そうでない人達を育てた方が運営側も儲かるからです。
そのあたりをフリーランス美容師、専門学校、シェアサロンのそれぞれが協力して業界を盛り上げていけば”三方よし”の関係が築けるのでは無いかと思うからです。
私自身独立して隙間がなければこのようにゆっくりと物を考える事も無かったであろうし、大好きな”日本”と”美容師”というこの二つをより良いものにしていきたいと本当に思います。
もしも一人でも、最後まで読んでいただいた方がいらっしゃったのならありがとうございました。
私が利用しているシェアサロン【GO TODAY SHAIRE SALON】
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