言葉のキャッチボールができない夫婦
noteに投稿した記事は、いつも夫に読んでもらう。
特に想いを込めて書いたのは
掛け違えたボタン
85文字のプロフィール
という記事だ。
この2つは、泣きながら書いた。
夫は、わたしの歩んできた道を知っている。
いろんな痛みを、横でみてきた人だから、誰よりも彼は想いを分かってくれる、想いが響くはずだ。
そう、期待した。
「どう?」
「ん~小説みたいやな」
「え?小説?ちゃうやん、事実やん、めっちゃリアルやろ」
「まぁな。でも、おれ全部知ってるやろ」
「う、うん。知ってるからこそ、想うことない?」
「…おれと結婚できてよかったな♪」
まるで口笛でも聞こえてきそうなぐらい、軽快にこたえた。
予想もしないリアクションだった。
確かに、おちは最も的確だ。
「結婚できてよかった」
それに尽きる。
尽きるけれど…
夫はいつだって、わたしが求めることを返しはしない。
「あのときは辛かったな、よく頑張ってきたな」
そういう、最もらしい言葉が欲しかった。
記事を書きながら、傷心している、今の気持ちを包んで欲しかった。
「もう、なんで分かってくれへんのや、この切ない気持ちを!」
再びぶつけてみた。
「今、幸せやでそれでいいやろ、がたがた言うな~」
「おまえだって、いつもそんなんやぞ」
え?わたしも?夫の気持ちを受けとめられていない?
思い当たるふししかない。
夫は、仕事をめちゃくちゃ頑張っている。
その姿勢を、心から尊敬している。
ある日、夫が昇進したことを嬉しそうに報告してくれた。
「良かったやん、やるなぁ♪」
わたしは軽快にこたえた。
「おまえな~もっと、なんかないわけ?」
「え?だって良かったやん。頑張ってきたんやで、当然の結果やろ♪」
「まぁ、そうやけど…まぁな」
夫は、もっとわたしに感激して欲しかったようだ。
思わずスキップしてしまうぐらい、分かりやすく喜びを表わしてくれるのを期待していたのだ。
夫はわたしの今までの頑張りを知っているからこそ、今もそばにいる。
わたしは夫の今までの頑張りを知っているからこそ、尊敬している。
それで十分だ。
言葉なんていらない。
想いはいつも
シンクロしているのだから
と、言い聞かせてみる。
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