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漫画キングダムから学ぶ会社経営  #7:万能リーダー、王騎将軍

本記事は、「漫画キングダムから学ぶ会社経営」と題し、毎回、様々な視点から漫画キングダムとビジネス(特に経営)での共通点及びそこから得られる学びについてまとめていきます。

今回から数回に渡り、前回の「リーダーの器」からの派生で、特に優れた将軍のリーダーシップについて深堀していきます。前回の記事を読んでいない方は、まず「#6:リーダーの器」を一読ください。

「#6:リーダーの器」では、リーダーに必要な3つの資質として1)人間力、2)決断力、3)任せる力、を挙げました。世の中様々なタイプのリーダーがいますが、これらの資質が欠けているリーダーは残念ながら優秀なリーダーとは言えません。

例えば、キングダム内で最強の武力を誇る三大天龐煖は、摎、王騎、麃公など、秦の大将軍を葬っていますが、優れたリーダーかと言ったら答えは「No」です。実際、武力の劣る信に討たれます(58巻参照)。キングダム内では、背負うもの、人が繋ぐ物の大きさの差で敗れた事になっていますが、龐煖が優れたリーダーの資質を持ち合わせていたら、まさに天下無双の大将軍になっていた事でしょう。

では、これらリーダーの資質を完璧に持ち合わせている優秀なリーダーは誰でしょう。天下の大将軍王騎将軍です。王騎将軍はリーダーとしてお手本のような誰もが憧れる将軍故、死後も目標とされ、慕われます。それでは、リーダーに必要な各資質+αについて王騎将軍の実例を以下見ていきましょう。

1) 人間力
人間力は慕われる力に近いものがありますが、イコールではありません。人間力には他のチーム、また敵からさえも認められる力が含まれます。ただのお人よしで社交的とは違います。王騎将軍の人間力の大きさが最も明らかになったのが、死ぬ間際でした。龐煖に刺され、後は死を迎えるという時でさえ、仲間を鼓舞し、仲間も命を懸けて亡骸を敵に渡すまいとします。あの瞬間は戦の勝負云々ではなく、秦国全員が王騎将軍の為に戦っていました。これぞ、王騎将軍の人間力の大きさを表しています。人間死ぬ間際にどれだけの人に愛されるかが、その人の大きさだと言われますが、まさにその証明になります。

2) 決断力
キングダム内における王騎将軍の戦と言えば、馬陽の戦いが唯一の描写ですが、せっかくなので違う戦いでの王騎将軍の決断力を挙げます。信の初陣にもなりました蛇甘平原の戦いです。この戦いで、王騎将軍は魏に亡命した廉頗将軍の屋敷への慰め訪問の途中、たまたまを装い、戦いの見学に行きますが、途中、戦いの情勢を見て、すぐに隣の丘へ移動します。見晴らしが良いからと言いますが、この決断は実に戦略的で王騎将軍が魏軍にとって邪魔なサイドから睨みを利かす事で、麃公将軍を間接的に助ける事になります。自分が戦いに参戦していなくても、自国にとって有利になるように仕向ける判断力と決断力はさすがです。職場においても、たまに、全く関係ないようなところでサポートをしてくれる人がいますが、非常に視野が広く決断力に優れています。

3) 任せる力
王騎軍には副官謄を筆頭に、そのほかにも信頼できる5人の軍長がいます。タイプは違えど、彼らは王騎将軍を支え、また、王騎将軍も彼らを信頼しており、重要な局面ではこの5人を中心に物事を進めていきます。5人の軍長は、謄ほどバランスが優れているわけではありません。録嗚未は本能型の武力寄り、隆国は軍師寄りの軍長です。彼らの長所短所を把握し、まさに適材適所で各戦場を任せ戦を勝利に導きます。また、馬陽の戦いの序盤で、敵の将軍を打ち取る重要任務を、軍長でもなければ、自軍の兵士でもない、当時百人将になりたての信率いる飛信隊に任せます。王騎将軍は仲間を信頼し、彼らの力を120%引き出すやり方を知っているのです。

王騎 飛信隊

他にも、王騎将軍は戦略性に優れているだけでなく、自ら先頭に立つこともできます。「#1::優秀なCOO昌平君」の際にも触れましたが、これは、リーダーとして素晴らしい資質になります。現場を知るだけでなく、時には現場の最前線で相手と戦うというのは、部下に一目置かれる要因の一つになります。

また、王騎将軍は各国のライバルからも一目置かれる存在です。ビジネスマンに置いても、本当に優れた人は毎日のようにヘッドハンティングの話がきます。業界内においてその人の実力が知られているからです。

今回は王騎将軍の優れたリーダーシップの資質についてまとめました。次回は違うタイプのリーダーについて触れます。

それでは、また次回。

注)写真はすべて漫画キングダムより引用

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