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漫画キングダムから学ぶ会社経営 #52:中間管理職の苦労

本記事は、「漫画キングダムから学ぶ会社経営」と題し、毎回、様々な視点から漫画キングダムとビジネス(特に経営)での共通点及びそこから得られる学びについてまとめていきます。今回は52回目の記事になります、過去の投稿はこちらからご覧ください。(各記事は基本的に、キングダム最新巻までのネタバレを含みますのでご了承ください。)

前回は、「#51:目的と手段」と題して、仕事や戦において最も重要かつ、多くの人が陥りがちな手段ありきの考え方を媧燐将軍の実例を基に解説しました。まだお読みでない方は、上記リンクよりお読みください。

さて、今回は、読者の多くがそうかもしまれませんし、トップに行くには、避けては通れない道である中間管理職について考察します。

会社で一般的に中間管理職と言うと、課長や部長など、部下を多く抱えているが、上司(やさらにその上)からも日々のプレッシャーがある、文字通り、組織の間で活躍している人達を言います。そのポジション柄、中間管理職は板挟みで苦労が絶えないというイメージが多く、イメージだけではなく、ほとんどの経験者はそう感じているはずです。創業者や2代目社長を除きトップを目指す多くの人がここを経験する事になります。

キングダムでも中間管理職の人達は多く出てきます。何千人将と呼ばれる人達はほとんど、この部類に入るでしょう。彼らは日々の戦はもちろんの事、部隊員のケア、軍議の出席など、多くの役割があり、現代社会における中間管理職サラリーマンと同等の苦労をしております。しかし、これらの苦労と言うのは、いずれ経営層やトップを目指すのに重要かつ必要な期間なのです。以下3点は、中間管理職時代に学ぶ事ができる重要な経験になります。

1) 誰目線で物事を見れるか
中間管理職のイメージとしてまず思い浮かぶのが、上記述べた通り、板挟みになり非常に面倒な根回しや調整をさせられる事だと思います。確かにこれは大変でストレスのかかる事ですが、上手くコントロールする方法は、誰目線で物事を見れるかにかかります。中間管理職の人の周りには部下や上司だけでなく、様々なプレーヤーがいて、とにかく色々な意見を聞くようになります。全てを満たす正解はもちろんなく、どこかしらで落とし前を付ける必要があります。その時最も大事なのが、この人目線だと、これを期待するなど、誰が、何目線で物事を捉えているかを理解し、それに見合った解答を導き出す事です。一つの答えでも言い方を変えれば様々な解釈があり、その異なった解釈を異なったプレーヤーに当てはめる能力が問われます。キングダム内では、河了貂など自身は戦わない軍師にこの能力が優れた人物が多くみられます。

かりょうてん
2) 俯瞰的な視野への変化
俯瞰的とは、客観的もしくは鳥瞰的とも言え、簡単に言うと、視野を広くみることになります。一つのプロジェクトに没頭するだけでなく、このプロジェクトは会社にとってどういった位置づけで、このプロジェクトの成功は会社にとってどのような意味があるのかと、意識してリンク付ける力になります。言うまでもなく、出世するほど、俯瞰的な視野が求められるようになります。その基礎を作り上げるのが、中間管理職時代になります。キングダム内では、戦場が広く見えている松左がこの能力に優れていました。61巻でもありましたが、松左を失った飛信隊は、歩兵団で俯瞰的に捉えられる能力を欠き、一時期苦戦する事となりました。

松左 不在

3) 他部署との連携
最後に、中間管理職になると、他部署とのやりとりが急激に増えます。これは、やはり上記で述べた通り、日々の業務をプロジェクトレベルから、部署視点や会社視点で見る事が求められるからです。そうなってくると、必然的に様々な部署の様々な役職に方々と仕事をする事になります。言わずもがな、求められるのは彼らとの潤滑な連携になります。キングダム内では、常に柔軟な連携を求められる、騎馬隊の長でもあり飛信隊副長の楚水がこの能力に優れています。

楚水

これらの経験というのは、文字で見るだけでめんどくさそうで、実際にめんどくさいですし、苦労の絶えない業務になります。しかし、この苦労を理解した上で楽しみ、そして将来への布石と捉えれる人が出世する訳です。結局、これら中間管理職者に求められる能力というのは、出世すればするほど多くなり、社長という業務はこれら苦労を集めた最高峰となります。つまり、中間管理職での業務というのは、今後、これらの苦労を苦労と感じず楽しむことができるのかの最初の通過試験になります。

また、これら中間管理職に求められる能力は日本の会社だけでなく、いわゆる外資系の企業でもそれ以上に求められます。強いて言うなら、外資系企業では、中間管理職になる前に、これらの苦労を経験できるというメリットがあります。ここでメリットと記載したのは、これらの苦労、経験と言うのは、早ければ早い程良いと思うからです。

日々の仕事で疲れた時、キングダム内でも同じ境地に立たされているキャラクターを見つけて、自分と照らし合わせてみるのはいかがでしょうか。

それでは、また次回。

注)写真はすべて漫画キングダムより引用

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