先生なんて偉くないし完璧じゃない
ふとスタンフォード監獄実験を思い出しました。監獄を模した施設で被験者を囚人役と看守役に分け、その行動を観察するという実験です。
ヤラセ疑惑があるようですが、看守役は段々権力を行使するようになり、囚人役は段々無抵抗になったようです。
最近ある生徒が生徒に暴言を吐いたことが理由で学校を辞めました。去年教えていた子だったので少し悲しかったです。
どうやら一連の流れ中で、「謝るまで授業に出さない」という形で謝罪を強要していたそうです。暴言を吐いたことに対して指導するのは当然としてもっと別のやり方がある気がしますし、僕は勉強の機会を奪うそのやり方は賛成しません。
僕はどんな経緯で暴言を吐いたのかは分かりません。先生が嫌いだったのかもしれませんし、虫の居所が悪かっただけかもしれません。理由はなんであれ、先生に暴言を吐いたから権力でやり返したように思えてなりません。
学校と監獄は紙一重で学校の先生と生徒は一歩間違えれば看守と囚人になってしまうのでしょう。
先生と生徒には上下関係がついてまわる。たまから「あいつは先生の言うことを聞かないから好かん」と上の立場であることを振りかざすのは簡単だし、必要な場合だってある。
でも先に生まれたから、大人だからというだけでは先生は務まらない。先生は偉いんだから言うことを聞きなさいなんて誰も聞いてくれないだろう。先生なんて完璧じゃないんだ。
僕は子どもたちより少しだけ多くのことを知っているから先生なのだと思う。勉強のことも、人付き合いのことも、進路のことも、社会のことも彼らより少しだけ知っている。たまには僕より多くのことを知っている子もいるかもしれない。
だから僕の言う通りにはしなくてもいい。僕を見て、僕の話を聞いて、なにか得るものが有ればいいと少しだけ期待して子どもたちの前に立っていようと思った。
辞めてしまった子が元気に楽しく学校に通えることを祈って締めようと思います。