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1人暮らしや友人との交流の少なさは睡眠の質に影響するのか!?

本記事では、1人暮らしや友人との交流が少なさが睡眠の質に関係するのかというテーマでまとめていきます。

下記の文献をベースにまとめていきます。

文献紹介

タイトル

Association between Social Frailty and Sleep Quality among Community-dwelling Older Adults: A Cross-sectional Study

著者

Taiji NOGUCHI

結論

高齢者において、1人暮らしや友人との交流が少なさが睡眠の質の低さと関係することが示されました。
社会的虚弱の該当項目が多くなるほど、睡眠の質低下を招くことが示されました。

※社会的虚弱→社会との交流が乏しい状態

研究方法

対象

日本の準都市部である東郷町の公営の町役場で実施された。
包括基準
・東郷町に居住し、健康診断調査に参加
・日常生活が自立している
除外基準
・60歳未満の方
・認知症やうつ病の疾患を持っている

全320名のうち、性別の情報がない人(n=1)、60歳未満の人(n=13)、自己申告で認知症(n=3)またはうつ病性障害(n=3)を持つ人を除外した。

最終的に300名が研究対象になった。

睡眠の質の判定方法

自身で答える質問票であるPittsburgh Sleep Quality Index(PSQI)と日本語版を併用して評価した。
PSQI
前月の睡眠の質に着目し、
・主観的睡眠の質、
・睡眠潜時(寝るまでかかった時間)、
・睡眠時間、
・習慣的睡眠効率(総睡眠時間とベッドにいた時間の比率)、
・睡眠障害、
・睡眠薬の使用(処方または市販)、
・日中機能障害
の7項目から構成される。

各項目は0〜3点で採点され、合計21点となる。
注目すべきは、スコアが高いほど睡眠の質が低いことを示すことです。
先行研究では、睡眠の質の低下に対するグローバルPSQIスコアのカットオフ値(5.5点)が示されています。

社会的虚弱の判定方法

・「一人暮らし」
・「友人を訪ねないことがある」
・「外出の頻度が昨年より少ない」
・「友人や家族の役に立っていないと感じる」
・「毎日誰かと話していない」
という5項目の自分で答える質問票を用いて評価された。

参加者は、該当する項目の数によって、非虚弱(ゼロ)、虚弱予備軍(1)、虚弱(2以上)の3群に分類された。

研究によりわかったこと

社会的虚弱者の特徴

・高齢者
・男性
・低学歴
・世帯等価所得が低い
・糖尿病の診断を受けていることが多い
・買い物や家事などが困難

睡眠時間が長い人の特徴

・友人宅を訪ねない
・友人や家族に対して親切にしていない
と回答した参加者は、睡眠時間が長いことが報告されている。

PSQIスコアが高い(睡眠の質が低い)人の特徴

・友人や家族の役に立ってないと感じる人
・毎日誰かと話をすることがない人
のPSQIスコアが高かった。

まとめ

今回の文献では、社会的虚弱状態であると、睡眠の質が低いことが示されました。
社会から孤立せず、近隣住民や家族と接することが睡眠にもポジティブな影響がありました。

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