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【お金を嫌えば、お金に嫌われる】
お金、あるいは財産というものは、人間にとって非常に大きな意味があります。
良寛(著者)さんのように生きるとか、出家して修道院に入るとか、そういう人以外にとっては、お金は命の次と考えてよいものだと思います。
これは、ハイエクもいっていますが、お金とは「自由」というものの基本です。
たとえば、お金、つまり貨幣がない状況を考えてみます。
そこでどういうことが起きるかというと、土地を支配している人がオールマイティになり、ほかの人はその家来となって使われるよりしょうがない。
山の中で一人で暮らすというのであれば別かもしれませんが、そこが住みやすいとなったら、必ずもっと力のある人がやってきて支配されるでしょう。
そこには自由などありません。
あるいは、お金が存在しなければ、「あのりんごが一つ欲しい」といったとき、「じゃあ、お前の着物をよこせ」とか「それなら魚を獲ってこい」という、えらく面倒な話になってしまいます。
ところが、誰によるものかは定かではありませんが、貨幣が発明されたことで、そうした苦労はなくなりました。
このことは非常に重要なことです。
それだけ有用なものであるだけに、共産主義社会でも貨幣を廃止することはできませんでした。
しかし、廃止はしなかったけれども、お金や財産は悪いものだという考えがありました。
ソ連という国では革命を起こし、人々が私有財産を持つことを嫌いました。
お金を嫌ったわけです。
たとえば、犬が嫌いな人に対して犬は寄ってはきません。
犬のほうが吠えかかったり、遠ざかっていきます。
お金も、お金を悪いものだ、お金が嫌いだという人からは遠ざかってしまいます。
そうすると、いつのまにか貧乏になってしまうわけです。
もともとソ連という国はお金持ちであってもおかしくない国でした。
石油はアラブの国に劣らぬぐらい出ますし、金の産出量も世界一です。
広大なる穀倉地帯があり、森林地帯も土地もある。
にもかかわらず、お金を嫌ったがためにどうなったかというと、それはいまのロシアの状況をみれば分かると思います。
とことん貧乏になりました。
毛沢東時代の中国や、ポル・ポト時代のカンボジアも、やはり貧乏になってしまいました。
共産主義の国は、皆お金を嫌い、個人がお金を持つこと、財産を持つことを禁止しました。
その結果、みんな極度の貧乏になりました。
ちなみに、その後、中国では共産党の支配は続いていますが、トウ小平が「白でも黒でも鼠をとる猫はよい猫だ」と言って富を作る人を重視して市場を開放して資本主義の要素を取り入れるようになりました。
そのために、かつてと比べると、ずっと豊かになっています。
憲法にも私有財産の保護が明記され、私有財産を否定して貧窮した体験から、中国政府も「お金は良いもの」と認めるに至ったわけです。
もっと別の言葉でいいますと、お金がないような状態に置かれると人々は権力とくっついて権力の中心に近づくほかに生き甲斐がなくなってしまいます。
共産主義時代のソ連などは、一番上のスターリンから見て何番目の地位にいるかが最も大事だ、ということでしか人生を充実することができませんでした。
それ以外のことに関心事がないのです。
というのも、その地位からずれたら、大変に惨めな生活が待っています。
その時の権力者から追放されたら、他に働くところはありません。
下手をすると餓死あるいは刑死するような運命にならざるを得ません。
その点、お金や財産を持つことが認められた社会では、そうした「権力から何番目」というようなところでは出世しなくても、ある程度勤勉で貯蓄をしていればお金は貯まります。
そんなに偉くならなくても楽しく暮らすことができるのです。
ある会社をクビになっても、他の会社で働くことができる。
そこには自由があります。
旧ソ連や東欧圏や毛沢東の中国では、そういう自由がありませんでした。
お金がなければ自由になれない、幸せになれないといってもいいと思います。
「普通の人の自由の保証は私有財産による」というハイエクの言葉は本当
(続きは本書で↓)