【無料note】自己肯定感と自立
●子どものやってみたいをぐいぐい引き出す!
以前、全国の小学生約1000人に「放課後や夏休みにやってみたいことはなんですか?」というアンケート調査をしたところ、上位5位は、次のようなランキングとなりました。
1.サッカー 2.ドッジボール 3.鬼ごっこ 4.なわとび 5.なし
いかがでしょうか?
どこかに違和感を覚えませんか?
そうなんです。
「なし」という答えが5位に入っていたのです。
その回答欄には「やりたいことがない」「わからない」「どうでもいい」などと書いてありました。
親や大人は「子どもだからこそ、新しいことにチャレンジしてほしい」と願っている。
しかし、当の子どもは、チャレンジしようとしない。
そもそも、自分のやりたいことがわからない、考えたことがない。
今の子どもたちにそうした傾向があるとすると、それはなぜなのか?
私は、多くの子どもと保護者たちを見てきた経験から、こうした傾向の根っこには子どもたちの「自己肯定感の低さ」がある、という仮説にたどり着きました。
自己肯定感とはわかりやすく言えば、「自分はここにいていい」という感覚です。
「自分はここにいていい」という感覚を持っている子は、ほうっておいても新しいことに取り組もうとします。
また、失敗してもくじけずに、繰り返しチャレンジしようとします。
一方、「自分はここにいていい」という感覚を十分に持てない子は、新しいことにチャレンジしようとしません。
やる前から「失敗するのではないか」という不安が先立って、やろうとしないのです。
ここで「20年後」に目を向けてみましょう。
子育てや教育の目標とは何かというと、つきつめれば「自立」です。
どんな親や教師も、目の前の子どもが20年後、自分で考え、行動できるようになることを願っているはずです。
それは、20年後その子がビジネスマンになるとしても、スポーツ選手になるとしても、同じです。
やったことのない仕事にチャレンジする。
失敗してもくじけずに、何度でも立ち上がる。
人が自立し、そんなふうに成長し続けるためには、高い自己肯定感が欠かせません。
それは、親元を離れた後の長い長い人生を支える、大きな力となってくれるものだと思います。
過去の国際的な調査によると、日本の子どもの「自己肯定感」は世界の中でも極めて低い、という残念な結果が出ています。
この「自己肯定感の低さ」が、日本人がチャレンジしなくなり、国際社会の中で成長への大きな「壁」になっていると私は考えています。