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【無料note】知力・生産力を高める方法
●知的生産力
インターネットが普及する以前は、個人が世の中に情報発信をするのは難しいことでした。
情報発信できたのは、「テレビ」「ラジオ」「新聞」「雑誌」などのマスメディアと、そのメディアから認められた一部の文化人、知識人、有識者だけでした。
昔から個人の記録を残す手段として、日記を書く人はいました。
日記は「日常の出来事や自分の思いを記録する」ための手段ですから、ブログの特性に似ています。
しかし日記は、「他の人は読まない」ことが前提です。
日記は、自分で書いたものを自分で読み返す自己循環ツールであって、情報を「アウト(外部)」に発信するメディアではありません。
インターネットの時代は、誰でもメディアを持つことが可能です。
ホームページ、ブログ、SNS、YouTubeなどを通じて、全世界の人間が情報発信できるようになっています。
市井(しせい)の人が、これほど多くのメディア(アウトプットの手段)を手にしたのは、人類史上初めてのことです。
「学んだ知識を役立てることができない」「本を読んでもすぐに忘れてしまう」「情報に振り回される」など、インプットした知識を使いこなすことができないとしたら、その原因のひとつは、「アウトプットの回路ができていない」ことです。
インプットとアウトプットは、ふたつでひとつのセットです。
情報をインプットしたら、実践につなげる。
「読む、書く(描く)、話す」ことによって、情報は血肉に変わります。
頭の中に価値のある知識、知恵、ノウハウが入っていても、それを実際に活用しなければ、持っていないのと同じです。
私は「本によって人生を切り開いた」と言い切れるほど、読書が好きです。
読書の最大の面白さは、仕入れた知識をアウトプットすることにあります。
アウトプットの必要性がないインプット記憶に残りにくいため、アウトプットを想定してインプットするのが基本です。
「せっかくインプットしたのだから、いつかアウトプットしよう」ではなく、「アウトプットしなければいけない」という強制力を働かせる。
「アウトプットする必要があるから、インプットしよう」と考えたほうが、学習の精度は上がります。
学習のサイクルはアウトプットが起点です。
「必要は発明の母」という諺(ことわざ)があるように、不足や不自由さを克服したいという必要性を感じるからこそ、発明は生まれます。
勉強も発明と同じであり、「必要は勉強の母」です。
以前、交渉術の本を共著で出したことがある射手矢好雄(いてやよしお)さんは、国際案件を数多く手掛ける渉外弁護士(国際性のあるビジネス法務を扱う弁護士)です。
アメリカの企業と渡り合うために「英語」を勉強し、中国法務に精通するために「中国語」を習得しました。
語学が堪能だったから渉外弁護士になったわけではなく、弁護士としての活動(アウトプット)をするために、語学を身につける(インプット)必要があったわけです。