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【読書記録】表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬
オードリー若林氏の著書。
僕との共通点を感じていて勝手に親近感を抱く人物で、本を何冊か出していたので気になって購入した。
新自由主義(資本主義)経済の日本とは正反対のシステム、社会主義国キューバへ単身乗り込みそこでの体験を綴る。
社会主義国キューバだけではなく、定住しない民族がいるモンゴルと、大自然溢れる火山国アイスランドの冒険記録が残されている。
彼は、家庭教師を雇っているらしい。ニュース番組を観ても全く理解できないことが恥ずかしくなったからだそう。教師は東大院生。
僕の場合、教師はchatGPTになるか。本当は人間に教えて欲しいが仕方ない。
戦後の高度経済成長を経て近代化を成し遂げた頃、この国の国民は1億総中流と言われていた。それは年功序列や終身雇用といった「日本型経営システム」に支えられていた。となれば、なるべく良い会社に入れば安定した人生を送れるという価値観が根強いのは頷ける話だ。
キューバの職業
キューバは職業訓練が徹底していて、スポーツ選手はスポーツ学校を出てスポーツ選手になるし、ミュージシャンは音楽学校を出てミュージシャンになる。ウェイターもウェイター学校を出てウェイターになる。
…要は若いうちから才能を見分けられ、ふるいにかけられるのだ。
ぼくは、20代の頃はお金も仕事もなくて、社会から爪弾きにされている気分だったけど、それは全部自分で選んだのだし、選べる自由が日本にはあるんだ。
それは当たり前のこととなりすぎていて、その自由へのありがたみをここまで実感したことはなかった。それなのに、テレビに出たての頃に仕事がない時代のことをさも苦労してきたかのように話していたんだなと、今更ながら恥ずかしくなった。
心の居場所
金やフォロワー数のような数字に表されるようなものではない揺るがない心の居場所を作りたいと思った。
そういう居場所を複数持っていれば、一つの村に必要とされなくなった時に他の居場所が救いになるからだ。
この先で、芸能の世界から必要とされなくなった時にぼくは絶対に所属欲求の危機など感じてやらない。
そのためにも他の居場所を必ず作ろう。
アイスランドの年越し花火
アイスランドでは年越しのタイミングで街中から打ち上げ花火をぶっ放す文化がある。とんでも高火力の打ち上げ花火を市販で購入できるらしい。
道のすぐ隣で打ち上げされるから怪我人も出るほど…。
そんなクレイジーな光景を目に収めたくてアイスランドに旅をしたと言う筆者。
素敵な情報をありがとう。
家庭教師に戦後の日本の流れを教えてもらっていた時に、俺は世間と一億総中流は"頭を揃える"という特性上、相性が良かったのかもしれないと感じた。でも、この国の”世間の信仰”と新自由主義が生む"格差と分断”の相性は格別に悪いと思う。でも、世間は言う「空気を読め」と、新自由主義は言う「個性で稼げ」と。