たとえば僕が死んだら
僕はなぜ文章を書くのか、ついさっきふいにそう思った。
そして僕は考えた、でもその答えを今の段階では見つけられなかった。
はじめは勿論あった、「書きたい」そう思ったからだ。
自分の中から何かが出たがっていたから、それを受け止めてくれそうなこの場所、noteに僕はやってきた。
それからの僕はなにも考えずただ書き続けた。
そうして書いている間、「なぜ書いているのか」
そのように考える機会は少なくともこの一年間一度も訪れませんでした。
つまり現状では、僕は文章を書く理由を持っていないのだ。
ひょっとしたら来月あたりに突然、「邪魔するよ」
そんなふうに僕の心を訪ねてくるのだろうか、わからない。
何もわかっていない人たちが人の心を踏みにじる
例えばある日、僕の文章を書籍化するというありがたいお話をいただいて担当の方とこのような話になったとします。
「君には読んだ人に生きる希望を与えるような文章を期待しているよ、おめでとう!」
「いえ、それはできません」
(そう僕が即答すると出版社の人はそれまでとうって変わって機嫌の悪い顔になりこう言った)
「それはなぜ?」
「ありがたいお話ですが、自分としてはまったく惹かれないからです」
(僕はそのように率直な思いを伝えた)
「君は文章で暮らしていきたいと思わないのか、そうなったら素晴らしいことじゃないか?」
(そう言われても今一ピンとこないのです、僕は変なのだろうか?)
「それって楽しいんですか?」
(こう聞き返す僕に出版社の人が言います)
「自分を表現して暮らしてゆけるんだよ?」
「自分って、必ず表現しなければいけないのでしょうか?」
(僕にはわからない、僕はすでにボクという完成された存在なのに、何故別の何かになる必要があるのだろうか)
「まず稼いで、それから考えればいいんじゃない?」
「もうすでにすべてココにあるのに何を考えるのですか?」
(このあと会話は途切れ、気まずい空気のままスタバを出てそのまま別れた。・・・その後出版社からの連絡はなかった。)
そんな別段珍しくもないよくある光景。
旧態依然
いつも周りの人たちは口を揃えて、あなたのためだから、そう言いながらナイフや鉄砲を突き付けてきて、自分以外の何かに成らせようとしてくる。
僕も過去に半信半疑でそれらの意見を受け入れて手酷い目にあってきた経験を持ちます。
その都度きっと自分がおかしいのだろうと自分に言い聞かせ、会社や学校や社会などの組織でそのおままごとのような偽りの自分を生きる演技を十分すぎる程に経験してきました。
そしてそれが如何にくそったれであるかを知っています。
もうそんなゴミのような生き方は選択したくないのです。
偽りのウソつきたちの中で生きるのはうんざりなのです。
二度と関わり合いになりたくないのです、もう僕はできないわからないを生きることだと勘違いしている幼稚な人々とは遊べないのです。
勿論周りの存在が世界もすべてひっくるめて、自分の心の投影であることはわかっています。だからこそそんな状況を二度と享受しないし自分を見失うことはありはしないのです。
ではなぜ僕はnoteで文章を書いているのだろうか。
もしかしたらそれに気づくために書いているのかもしれない。
***
仮にあるがままの先にどのようなことが待ち受けていたとしても、それがどうしたというのだろうか。
ひょっとしたら僕はかなり早い段階でその生命を終えるかもしれません。
この宇宙の物理法則の元、きっとそうなるのでしょう。
ただ何故自分が文章を書いているのかさえわからない、そんな僕にもひとつだけわかっていることがある。
それは僕が死ぬときは、僕がボクではなくなる瞬間だということだ。
たとえば僕が死んだとしても、それは僕にとってのひとつの表現に過ぎないのだから。
だから僕が文章を書く理由に気づく機会は訪れない。
でもそれでいい、それが僕であるということだから。
僕はとどのつまり、ボク以外にはなれないのだ。
10th Anniversary Money Forward
株式会社マネーフォワード様、創業10周年おめでとうございます。
御社の10周年のコンセプト「さあ、人生をもっと前へ。」こちらの力強い言葉に背中を押されるような励みをいただきました。
「マネーフォワードはお金に振り回されず、やりたいことにチャレンジできる社会づくりに貢献したいと考えています」
「このキャンペーンが、みなさんの「わくわく」を増幅させるきっかけになれば嬉しいです」
その熱い言葉に突き動かされ、今書き終えるためにこう書いています。
この度の素晴らしい企画、ありがとうございます。
沢山の素晴らしい作品と共に参加できる機会に恵まれた幸運に感謝します。
タイトルイラスト
ごるちきさんよりお借りしています。
ありがとうございます。
著者プロフィール
私、那須ノの簡単な自己紹介となります。
惹かれたら是非ご覧ください。