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雑多な雑感――NPOの戯言㊺

《「生きる意味」とは(1)――人生とカネ(番外編)》
 次期アメリカ大統領選が世界の耳目を集めたが結局トランプ。このテーマに関わっていくつか再確認できることがあるが、取り急ぎ一つだけ。それは候補者が「億万長者」でなければならないということ。必要条件と断言して差し支えない。これぞデモクラシー!?(もちろんベターな政治制度であることは間違いない)。今回に限らず、とてつもないカネが動く。ゆえに「政治=カネ」の関係は普遍的な「憑きもの」。その是・非の判断は人それぞれだが。
 要諦は「権力はカネで買える」ということ、その事実に人びとが従順であること。カネに困る人たちもトランプに多くの票を投じたのは事実。カネがモノ言う世界をアメリカほどわかりやすく体現している国も少ないが、世界中で繰り広げられていることである(金額で言えばロシアや中国がその範疇の上位に位置することも想像に難くない)。
 では金欠の生活を余儀なくされている人はどうすればいいのか。簡単な話で「権力とカネ」の癒着から距離を取ること。つまり癒着に巻き込まれないこと。例えば「妬み」「ひそみ」「やっかみ」など実質的には何の役にも立たない心持ちが癒着への第一歩となる(可能性が高い)。ゆえに金欠人生のなかで「権力とカネ」に不快を覚える人こそ、権力へ群がる人との距離をとることが大切である。
 民衆の熱狂はナチス時代に始まって終わったことではない。ささやかながら批判精神を忘れず冷静かつ安穏に生きるための知恵の涵養も必要では? 人生に「劇的」への渇望があるにしても、熱狂と昂揚が理性の喪失を加速化させるとすれば、結構ヤバい事態を引き寄せるかもしれない。「劇的」とも言える事態が多くの犠牲者を孕んでいる可能性を踏まえておきたい。悲劇の始まりは意外と茶番と思えるところからも生じ得る。
 聞くところトランプは戦争が嫌いらしい。しかし、戦争の犠牲者を悼む心情はない――「勝者」を賛美するのがトランプたる所以かな。ウクライナとパレスチナの人たちは「金欠」ゆえの「敗北」を目前に悲嘆に暮れざるをえない。だから「億万長者」は悲劇を楽しむことができるのだろう。すこぶる残念な世界が待ち受けているかもしれない。わたしは悔しい。


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