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【#毎週ショートショートnote】沈む寺

この世界には「太陽」の代わりに「寺」というものがあったそうな。

寺が昇ると人々はひたすら念仏を唱え、寺が沈むと人々は念仏を止めて日常生活を送る。


ある朝、いくら寺を待っていても昇る気配がなく、人々は不安にかられ始めた。


「寺が昇ってこないぞ!こんなことは生きてきて一度もなかった。きっと何か悪いことが起こる前触れではないか!?」



一人、また一人と騒ぐ者が増えてきて、あっという間に集団パニックを引き起こした。


「寺がないと念仏ができない、寺がないと念仏ができない」



沈みっぱなしの寺を人々は嘆き悲しみ、世界の終末を予感し絶望感に苛まれていた。


そこでこの世界を創造主が現れて人々にこう告げた。


「では沈んだ寺に代わり、「教会」を与えよう」



こうして「寺」に代わり「教会」になったそうな。

教会が昇ると人々はひたすら聖歌を歌い、教会が沈むと人々は聖歌を歌うのを止めて日常生活を送る。



この世界を天上から見ていた創造主が一言。


「単純な奴ら(笑)」




(410文字)

今回のショートショートは以下のマガジンに収めています😌



この記事は、たらはかにさん企画【毎週ショートショートnote】参加記事です。
今回のお題は、【沈む寺】でした。

いつも信じているものが、ある日を境に急になくなったらどうされますでしょうか?

きっと別のものを信じるようになると思います。

人間は何か信じているものがないと不安にかられます。
それを半ば皮肉っぽく書いたのが今回の作品です。

自分は幼少期からおかしな観点から物事を見るクセがありましたので(母親によく笑われました)、今回のお題もかなりおかしな観点から書いているかなという自覚はあります(笑)

裏お題にも挑戦します!
引き続きどうぞよろしくお願いします!





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