明日も資本主義なのか
9月からグラーツの芸術祭steirischer herbstが始まるのだけど、2018年に続き2回目のコミッションワークをこの芸術祭から依頼されたのはなんとも光栄なことだろうか。毎年秋に開催されるのでタイトル通りに「シュタイヤーマルクの秋」ということになってるけど、今年で57回目の開催さそうだ、基本的には委託制作でアーティストに新作を作らせるのがメインになっていていて、日本にはないような社会問題や政治問題にアプローチしたものも多くてアヴァンギャルドを売りにしている。こういうのは予算を渡されてアーティストが勝手に作るのではなく、キュレーターとの協働なのでそれなりに責任を取ってもくれるし、より際どいアプローチの作品にも挑戦できるのでとても緊張感があるし、また予算も比較的大きな金額を動かせるのは楽しいというか、やりがいがあるというのに尽きる。ウィーンに来てから何年になるのか、そうだもう8年半が経過しようしてるのだけど、また夏が終わって秋がやってきて冬がやってくるのかなという因果性を考えてしまうようで、実際のところはそうでなかったらいいなと心の中でどこか思っていながら時間が経過した。8年なんて長いものだとも言えるけど、実際のところは新型コロナウイルスのパンデミックがあったり、なにがあったりとあっさり時間が過ぎ去ってしまって、日々の忙しさのなかに埋没してしまいそうな感じのまま日が暮れた。明日もきっと資本主義が続いてるだろうなと思うと気が重くなるし、どうにもこうにもならないなら日本赤軍の気持ちだってわかるよとも思ってしまう。それではまた明日。