丹羽良徳

パフォーマンスと記録映像の領域を行き来する芸術家。オーストリアの首都ウィーン在住。現在、台湾、オーストリア、日本での展覧会を準備中。 https://yoshinoriniwa.com

丹羽良徳

パフォーマンスと記録映像の領域を行き来する芸術家。オーストリアの首都ウィーン在住。現在、台湾、オーストリア、日本での展覧会を準備中。 https://yoshinoriniwa.com

マガジン

  • ウィーン制作日誌(2021年から継続中)

    丹羽良徳のオーストリアの首都ウィーンでの制作日記。主に展覧会、制作、そして生活に関すること。映像制作からソーシャルプロジェクトまで。だいたいヨーロッパかアジアのどこかにいる。現在、台湾、オーストリア、日本の展覧会を準備中。https://yoshinoriniwa.com/

  • 丹羽良徳の徘徊日記(2013年厳選版)

    アーティスト丹羽良徳が2013年に不定期で記した日記厳選15本。写真はモスクワを展覧会下見のために訪れた時の様子。2012年以前の厳選日記も後日公開します。

  • 丹羽良徳の徘徊日記(2012年厳選版)

    アーティスト丹羽良徳が2012年に不定期で記した日記厳選18本。写真は、ソウルでの展示の様子。2011年以前の厳選日記も後日公開します。

最近の記事

  • 固定された記事

自分の所有物を街で購入する, 2011/2021

「自分の所有物を街で購入する, 2011」というのは震災直後に日本で作った映像作品なのだけども、震災から10年ということでいろいろなニュース映像を見たりしてぼんやりと自分の記憶のなかで何があったのかを確かめたりすると同時に、なぜかこの作品が浮かんできたというか、10年前に作った作品だけども未だに映像作品の展示依頼があったりとなんとなく、このあとも着いて回ってくれる作品なんじゃないかとこっそり感じたりもした。直接、震災や原発問題には触れてはないものの、僕らが普段生活する、足

    • 神頼み

      今日は書くようなことは特にないけれども、もう台中に2週間くらいになる。今日は台湾の空港からUberに乗ったら200TWD割引になった。これは特に観光客かどうか寄らずに「空港からUberに乗る」ということだけが条件のようなので、運がよかった。

      • 天気のエトセトラ

        台湾に来ている。台湾の真ん中あたりの台中市の美術館であるアジアンアートビエンナーレという展覧会に招聘されて、コミッションワークで新しい作品を制作しているのだけども、どういうわけだか旅行する時に限って現地で自然災害がよく起こっているような気がするのは僕だけだろうか。このまえグラーツに滞在した時も、強風と大雨で数日動けなかったことがあるし、いま台湾では大型台風に襲われていて、台湾では学校が休校になっていたりする。日本に住んでいた時には、夏になれば猛暑と夕方が積乱雲による雨、秋にな

        • 抗い生きる大変なこと

          人類はいつも何かに抗ってきて生きてきたと思うし、すべての人類はそれぞれの生命の終焉の死をどのように克服するかといつも考えてきたと思う。いつもそれは儚く終わってしまうのかもしれないし、終わってしまえば、それまでかもしれない、すべては無に帰する。僕はバルセロナに数日だけ滞在しているのだけども、ガウディの彫刻だったり、バルセロナの街並みを見ていてそういうことをなぜかおぼろげに思い出した、そうだ考えたのではく単に思い出したようだったと思う。東京にいた時には、そういうことは何かどこかに

        • 固定された記事

        自分の所有物を街で購入する, 2011/2021

        マガジン

        • ウィーン制作日誌(2021年から継続中)
          208本
        • 丹羽良徳の徘徊日記(2013年厳選版)
          16本
          ¥300
        • 丹羽良徳の徘徊日記(2012年厳選版)
          18本
          ¥400

        記事

          旅行のつづき

          グラーツの芸術祭からウィーンに戻ってきてから数日が経過したが、映像の編集で忙しくバタバタしていた。これからバルセロナ、リヨンに調査旅行にしばらく出掛けてから、一旦ウィーンに戻ってきてから台湾にビエンナーレ参加のためにまたアジアに旅にでる。せっかくアジアまで行くのだから日本でも寄ろうかなとも思ったけど、日本には今とくに用事がないので、台湾から距離が近い香港に行くことにした。こういう時は、これまで訪問したことがない国へ行くのがベストの選択なんじゃないかと思うことにしている。中国は

          旅行のつづき

          暴風警報

          オーストリア第2の都市グラーツに来ているが、この街に何回来たことだろうかもう10回以上は来ているはずだけど、あまり街のことを知らないというのが実際のところだ。今回は芸術祭steirischer herbstのコミッションワークを2018年に引き続き2回目ということで、少しだけ長期滞在するのだけど、初日から暴風大雨警報によってパフォーマンスは延期になったけれど、それでも今回はデュレーショナルパフォーマンスなので、あまり影響なし。あとは天気の回復を待つだけで万事うまくいくはず。と

          明日も資本主義なのか

          9月からグラーツの芸術祭steirischer herbstが始まるのだけど、2018年に続き2回目のコミッションワークをこの芸術祭から依頼されたのはなんとも光栄なことだろうか。毎年秋に開催されるのでタイトル通りに「シュタイヤーマルクの秋」ということになってるけど、今年で57回目の開催さそうだ、基本的には委託制作でアーティストに新作を作らせるのがメインになっていていて、日本にはないような社会問題や政治問題にアプローチしたものも多くてアヴァンギャルドを売りにしている。こういうの

          明日も資本主義なのか

          短絡的な空気

          2024年8月も終了して、9月に突入したにも関わらずまだ例年よりも暑さが残っているような気がするのは、これはもしや気候変動なのかしら?なんていう短絡的な考えに陥ちいってしまいそうだけども、オーストリア政府が少し前に始めた気候変動ボーナスというのは、二酸化炭素を多く排出する自動車などに課税してその税収を市民に一部還元するから、自動車はなるべくやめて電車など気候にやさしい行動をするのだよ、という前提で実施されているけど、その実態はどうなのだろう、単に給付金がもらえるのでよかったわ

          短絡的な空気

          おくやみ

          偶然かもしれないし、単に時間の経過かもしれないけど、これまでにフィリピンで会った人が3人も死亡した。いや今年ではないので、もちろん同時にではないし、それぞれ別々のところで別々の死因で死亡してしまったので、何か関連性があるとは思えないけれど、たかだか知り合いの数など知れているし、それも異国のフィリピンで会った人たちが3人も亡くなってしまうと何か妙な気持ちにもなってくる。それは東京やウィーンで出会った無数の人たちのほとんどが元気だから。人間はあっけなく死ぬのかもしれないけれど、ど

          野獣

          仕事やプライベート問わず、アジアとやりとりする時は、どうしてもメッセンジャーやWhatsAppなんかの会話が流れていくアプリを使いたがる傾向があるのは(インドを思い出す)、会話というのはそもそも流水のごとくすべてが流れていくものだという考えが背景にあるのではないかと思ってしまった。よきこと悪いことすべての過去は水に流してしまえということなんだろうかと大袈裟にも考えてします。 その一方で欧州では仕事と認識される事項はこういうアプリはまず使われることはない。このようなメッセンジ

          休暇の事情

          ウィーンはというかほとんどどこの欧州の街でもそうだと思うけれど、夏場になると皆がこぞってバカンスへ出かけてしまい、街の人口が減少する。アーティストの友人だちもイタリアやクロアチアなどの南の海辺を目指して旅行に出てしまうし、1ヶ月くらい帰ってこない。アートセンターはもちろん夏季休暇ということで長期しまってしまう。他の業種であっても同じことだとうし、何か仕事があって連絡を取ろうとしても担当者が休暇につき、戻り次第返答しますという感じになるので、こちらは待つしかない。というのに、世

          休暇の事情

          旅行中

          旅行が続いていて、日本滞在のあとすぐにグラーツに2回訪問、プラハ1回訪問したあとにヴェニスを訪問している。どこか瀬戸内海のような日本の地方都市を思い浮かべたが、全然違うと思った。

          なぜ計画経済はうまく行ったのか?

          よく人は「新しい時代を作る」というものだけど、そう簡単にできるものだろうか?そもそも時代を作るというよりは、我々は時代に生かされているのではないかとも思うし、そもそも時代などという不明瞭な事物をどう言い表すかすらも疑問だ。我々は、時代を作るのではなく、時代の内部へと飛び込みながら時代の肉体とでも呼ぶべき構造を作り変えるほうが最優先な気がする。以下は、今日書いたメモ。 アーティスト丹羽良徳は、公共の場でのパフォーマンスを通じて、資本主義経済システムに内在する矛盾を明らかにしよ

          なぜ計画経済はうまく行ったのか?

          ありがたい制度

          オーストリアの健康保険は、なんと病気予防や健康維持に対するプログラムが豊富だし、これまで日本に住んでいた時には健康保険なんていうのは、病気になった時に医療費を肩代わりしてくれるものという程度の理解しかなかった。去年は、健康プログラム100というやつで、禁煙プログラムやマッサージ屋にかかる費用100ユーロを負担してくれたし、今年は歯医者で検診や治療をするとなんと100ユーロもらえる。なんとありがたい制度なのだ。

          ありがたい制度

          ひらがなの書き順

          自分よりも年上の人は全員敵だ、ということをずっと考えてきたので、ぞれは世代間闘争のようなものを構想していたようなもので、つまり下の世代は常に上の世代を打倒することによってのみ社会は成長することができるという考えに基づいていたように思うけれど、ほとんどの場合この僕の考えは誤解されてきたというか自分でもあまり理解していなかったのかもしれない。

          ひらがなの書き順