Eduble日本語教室の「日本語習得度チェック」- 子どもたちに自信を持ってもらうために【Aflevering.146】
長い夏休みが終わり、新年度を迎えて約1ヶ月が経過しました。
Eduble日本語教室では、対面授業としては9月から小学生3人が新たに通ってくれることになり、教室もさらに賑やかになってきました。また、オンラインでの海外在住の子どもの日本語学習サポートや、日本にいる小学生・中学生・高校生の授業の問い合わせもいただくようになり、とてもありがたいです。
これまで教室に通っている小学生の子どもたちも、学校で新しい学年が始まったことに誇りを持っているようです。9月は新しい年度の始まりでもあるので、Edubleでは本年度より小学生クラスを中心に「日本語習得度チェック」を行うことにしました。
ひらがな・カタカナ・漢字の「読み」「書き」や、日本語の「聞く」「話す」、そして簡単な文法をどこまで理解できているのかを毎年確認し、達成度を記録していきます。内容に関しては、学年や学習状況に応じて行います。
これは、点数をつけその点数によって何かを判断するのではなく、中身を見てその子にとっての日本語学習がどこまでができるようになっていて、今後どこを重点的に指導すれば良いのかを考えるための参考資料にします。また、「聞く、話す、読む、書く」のそれぞれの技能に分けて日本語がどこまで扱えるのかを確認し、その結果を踏まえこれからどのようなところに気をつけてサポートすべきなのかを保護者と共有します。それによって、最も重要とされる「家庭での日本語学習」の参考にしていただけたらと思っております。
「習得度チェック」は成長を確認するため
→子どもの自信を奪わないように
子どもの日本語習得度の確認をする時は、「どこができていないか」という考えではなく「どこまでができていて、これからどのようなサポートが必要になるのか」という考えの元で行います。似たような表現ではありますが、この微妙な考え方の違いで子どもたちへの声のかけ方は大きく変わってくると思っています。そして、できるようになったところは、子どもに伝わるように言葉にして、「ここまでできるようになったね!」と伝えます。
海外で日本語を学んでいると、日本語の能力を測られることに抵抗を感じる子も中にはいますが、それは日本語に対する劣等感を抱いている可能性があります。その場合は習得度のチェックは急がず、子どもとの関係づくりを優先し、授業の中で「できないことがあってもよい」ということを理解してもらうことから始めています。
今のところ、私の日本語の授業を受けている子どもたちにはあまりそのような反応はなく、むしろどこまでできるのか挑戦してみたいという反応が多いように感じます。私がチェックを行う前に子どもたちに伝えていることは、「できないところがあるのは当たり前のことで、むしろどこができないのかをはっきりさせることが大切なんだよ。みんなの日本語の勉強の方法をこれからどうしたら良いのかを先生は考えたい。できるようになってきたこともたくさんあるはずだから、どこができるようになったのか知るためにもチャレンジしてみよう!」と言って、ごまかしなどをせず正直に自分と向き合うように促します。
日本語の力は他人との比較ではなく、過去の自分との比較を意識させる
チェックの途中で、できないことに悔しがったり、できたことを他の子に過剰にアピールしようとする子が出てくることもありますが、「みんなできるところ、できないところはバラバラだよ。勉強は自分のためにするものだから、他の人と比べるんじゃなくて今までの自分と比べてみてね。」と伝えます。書き取りチェックの後などに、「あれなんだったっけー!」とすぐさま見直しを勝手に始める子どもたちの様子を見ていると、「自分から学ぼうとする姿勢が少しついてきたのかな」と思います。
日本語習得度チェックは9月にスタートし、子どもたちに無理がないように授業の中で丁寧に進めているため、10月に入ってからも続いています。
子ども全員分のチェックが終わったら、全体としての分析結果を報告させていただきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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