オランダ現地校の"Sports Dag"(スポーツデイ)活動報告【Aflevering.194】
本日、私の娘が通っているオランダ現地の学校で「スポーツデイ」が行われました。これまで、言語(英語の会話も苦手です)ができないことが原因で、学校行事などに参加したくてもなかなか気持ちが前向きになれなかった私ですが、少しずつ勉強してきたオランダ語も簡単な会話ができるレベルになってきたので、思い切って参加しようと思いました。
オランダ現地校のスポーツデイはどんなものなのか?
「みんなで楽しもう!」から始まるスポーツデイ
私がオランダに来てから、スポーツは「体や精神を追い込み鍛えるもの」というよりも、「スポーツそのものを楽しんだり、人生を豊かにするもの」という考え方があることを学びました。
オランダの小学校で体育の先生として働いている日本の友人も、「日本とは体育の捉え方が違う」と教えてくれたのもあって、スポーツデイの日はどんな雰囲気なのか、とても興味がありました。
日本でいう「運動会」になるのか、はたまた「スポーツ大会」もしくは「学年レク」のようなものなのでしょうか?
全体で整列したり、校長の挨拶、校歌斉唱などの全体的な動きはほとんどありません。こちらに住んでいる子どもたちは、全体への指示は基本的に通りにくく、聞いていない子がたくさんいる印象があります。また、少人数のグループや個人で指示をする場合は比較的聞いています。
子どもたちは「どんなことやるの!?」という感じで、とても楽しそうでした。「うまくできなかったらどうしよう。」とか「スポーツが苦手でチームに迷惑かけるのが嫌だからやりたくない。」というような子は、少なくとも私のチームにはいませんでした。
勝ち負けとかうまくできるかできないかというよりも、「この特別な日をみんなで楽しもうじゃないか!!」という雰囲気です。
この学校行事としての「スポーツデイ」は、試合の緊張を味わわせたり不安にさせるのではなく、「楽しむ」こと自体を大切にしているように感じました。
現代のストレスを感じやすい社会の中では、ただただ「楽しむ」ということはとても大切なことです。また、クラスや学年を超えた友達とチームになって過ごせる特別な時間は、子どもたちにとっても魅力です。
「学校行事は保護者の助けが必要」という認識
スポーツデイの保護者向けの案内に書いてあったことで、特に私の印象に残っているのは、
「私たちのスポーツデイは、あなたたち保護者の助けなしには実行できません!多大なる援助に感謝します。」
という内容でした。
学校行事を教員と生徒だけで行うのではなく、保護者がこういった場面で子どもたちと関わるからこそ、学校と家庭の距離が近くなり互いに良好な関係が築くことができると感じました。「相手を知らない」ということが余計な不安を生み出すのです。
"Sports Dag"全般の流れ
スポーツデイでは、各エリアをまわってそれぞれに設置されたアクティビティを楽しむようになっています。
初めに中・高学年と低学年に分けて、それから学年の子どもたちをバラバラにしてチームを作ります。私は低学年の子たちをサポートするリーダーになりましたが、私のチームには各クラスの子たちが1〜2人ずつ集まって5人のチームでした。
低学年は前半・後半チームに分かれる
私たちのチームは、後半にアクティビティをするチームでした。そのため、前半は会場付近の公園で1時間ぐらい遊ばせることになりました。
小さなグループに分かれてアクティビティのエリアに移動する
後半になるとフィールドへ戻ります。フィールドでは、全体で行う競技はありません。各セクションに分かれて、それぞれのエリアで決められたアクティビティを楽しみます。中高学年は競技系が中心で、会場にずっといて交代でアクティビティに取り組んでいたようです。
低学年(Groep3,4)はアクティビティ中心
私がサポートしたチームは低学年クラスの子たちだったので、4つのエリアを一緒に回りました。
①縄跳び、コーン投げ、バランス、間違い探し、紙コップタワーなどのミニアクティビティコーナー、腕立て伏せ
このエリアでは、縄跳びとコーン投げ、紙コップタワーが人気でした。コーン投げは子ども達と盛り上がりすぎて写真を撮り損ねました。
②ホッケーとサッカー
③綱引きとバルーン遊具
④障害物競走
ハードルを飛んでくぐっての後は、キッズトンネルがあり、神経衰弱をしてぽっくりをします。最後は腕立て伏せをしてバトンタッチをします。
競争はしていましたが、みんな楽しんでいました。
ちなみに"Groep1,2"という日本でいう幼稚園年中と年長は、学校でスポーツデイをしていました。
私が感じた日本との違い
アクティビティの子どもや大人の様子を見て、文化や価値観の違いを感じました。日本だと、みんなが集まってみんなの顔が上がるまで説明が始まらなかったり、話をしている子がいたら注意を受けるなどがあるかと思います。そんな雰囲気は一切ありません。もちろん引率の保護者は聞くように促しますが、注意したり強制はしません。私の感覚では、聞いている子が8割、聞いていない子は2割ぐらいです。全然聞いてない子や他のことをする子がいても注意などはなく、終始和やかな雰囲気でした。
また、既に説明したことを質問する子がいても、みんなが優しく教えてあげていました。オランダに住む保護者は、「子どもたちが自由すぎるところが大変な時もあるのよ」と言っているぐらいなので大変さもありますが、その一方で日本が厳しく子どもを統制しすぎるところに子どもがストレスを感じる要因になると思いました。これはどちらが良いかという二者択一の話ではなく、何事もバランスの問題なのです。こういったところにオランダの子どもたちが世界一幸せだと言われる要因があるのかもしれません。
担任と保護者が手分けして子どもたちを引率
チームは2学年合同で16チームぐらいあり、ボランティアも各クラス5〜6名が出ていました。ボランティアの他にも担任がどこかのチームについて、みんなで子ども達の活動を見守りました。
また、保護者も先生も同じ大人として対等に話しているところが印象的でした。
日本の学校行事しか経験したことのなかった私にとって、今回"Sport Dag"にボランティアとして参加したことで、オランダの学校行事に深く関わることができ、外からでは分からない新しい気づきがいくつもありました。次回は、ボランティアとして参加した時に気づいた海外で子育てをする時に必要な保護者の心構えについてまとめておきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。