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学校や家庭の状況に合わせて学習課題を設定する〜継承語としての日本語学習に必要な環境設定【257】
今回は、私が日本語教室で行っている継承語サポートについて大切にしていることを記録しておきます。この記事では、小学校高学年や中学生についてです。
授業はあくまで自然な会話の中で
私の授業では、日本語での関わりを楽しめる授業設計をしています。学年や子どもの日本語レベルに合わせた教科書を使った学習や漢字学習も行いますが、何よりも日本語での対話を大切にしています。
冬休みが終わったので、授業の中で年末年始の過ごし方について話していました。その時、お節料理やお雑煮、お餅など「日本の食」というテーマで盛り上がりました。そして、そのまま「日本の食について、外国の人がどんなものが好きで、どんなものが嫌いなのかを調べてみたい」ということになり、家庭学習の課題として調べ学習とプレゼンを作成してもらいました。
その次の授業では、外国から見た日本食のイメージについて調べてきてくれたことで、日本と特にオランダの食に対する意識の違いが深まるとともに、日本の文化に関する理解も深まりました。
学習の「内容や進め方」はあくまで本人や保護者と話し合いながら決める
小学校高学年になると難しくなると言われる継承語学習
日本語を学校の学習言語として学んでいない場合、年齢を重ね、小学校高学年や中学校へ進学するとともに、日本語の学習の時間を確保することが難しくなります。
オランダの現地校に通っている子の場合、最高学年になると学校のことで忙しくなります。それは、進路選択に関わる学力対策や進路先を考えたりする必要があり、日本語学習まで手が行き届かくなることもあります。
そんな中でも、授業では日本語の時間を「楽しく充実した時間」として続けていけるように、本人の興味関心と日本語の学習目標に合わせた学習を行っています。
学習の中心は「子ども」〜子どもを置いてけぼりの学習にしないことが大切
日本語のプレゼン作成も、本人の取り組めそうなテーマが決まったり、タイミングなども合わせて課題を出します。あくまで学習のペースは本人と保護者と話し合って状況に合わせて変えていきます。
そうすることで日本語の学習が、学校の勉強とは別に「自分を成長させてくれるもの」となり、複数言語で生活するメリットを高めてくれると信じています。
これからも学習者自身が当事者意識を持って学習に取り組めるようにサポートしていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。