自由律俳句5
リズム良く生垣刈り揃える音ひびく
薬味中心の食生活である夏
それは祇園ではない
ミネラルが豊富な湯に浸かっている
指で数えて間違えている
同一ラベルですと教えてくれた
先日、人に誘われて大文字山に登ってきた。
朝七時、白川今出川に自転車で集合して銀閣寺脇の登山口へ。同行者は僕を含めて五人。誘ってくれたDさんはこの辺りの山に詳しいらしく、僕達は正規の登山道から少し外れた道を歩いた。七月の山は濃緑で、生命力に溢れていて美しかった。空気を目一杯吸い込むと、日頃の生活で脳味噌の中に溜まっていた塵が吹き飛ばされていった。
早朝とはいえど、この季節の日射しは容赦ない。火床に着く頃にはこれでもかと言うほどの汗をかいていた。麓へ降りる道の最中、川の水で顔を洗うととても冷たく気持ち良かった。爽快。
下山して、聖護院の早起亭でうどんを食べた。
目の前を流れる疏水沿いに並んだ木々からは蝉の大合唱が聞こえている。
早々にうどんを食べ終えたDさんが
「蝉の音が暑いねえ」
と呟いた。
それを聞いていたドイツ人留学生のダニエル。しばらく釈然としない様子で首をひねっていたが、ふと気付いたように
「蝉の音が暑い...。風鈴の逆ですか?」
と言った。
その場にいた皆が
「おお」
と感心した。
そんな夏の朝があった。
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